広告業界で働く筆者、副業でやっている講座の生徒にダメ出しをしたら「面白いってなんなんですか?」と聞かれて絶句。そもそも面白いCMとはなんだと考えた本。
タイトルを見て「このトリックを考えたやつは悪魔のような奴だ」というほど奇抜で残酷なトリックを考える犯人と探偵役の対決の話だと思ったらぜんぜん違った。誰かを殺したいと思った人の前に悪魔が現われる。悪魔はメニューを見せてそこから一つだけ能力を選びそれを使って相手を殺す。ただその能力とは「体重を軽く」するとか「物を動かす」とか「瞬間移動」とか直接的に相手を殺傷する力では無い。そして悪魔から授かった能力が使われると、それを探知する能力を持った刑事がいる。ただ彼がわかるのは能力が使われた場所だけで、誰がどんな能力を使ったかまではわからない。どんな力があればこの不可能犯罪を実行できるのか、それを解く連作短編集。新しい、新しいが、なんかなあ。
奇妙な味わいの短編集。奇妙といってもホラーとかSFではない。淡々と描かれる登場人物とちょっとした出来事の中に見落としてしまうような違和感とわずかな不整合を読み解く純文学。わたしはよくわからなかったよ。
最近よくあるライトノベルっぽいノリのミステリー。読み始めてしまったと思ったよ。
10年以上前に出版された小説。会社のそばの本屋で「井上ひさしミステリーフェア」をやってて、といっても4冊くらいなんだけど、この本も昔に読んだような読んでないような。手紙や往復書簡の体裁になっている短編集。はじめは日常を綴る手紙だったのがクライムサスペンスになったり、その手紙自体にからくりがあったり、これは楽しめる良書。