冬の映画まつり「ニューヨーク 親切なロシア料理店」

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今年最後の映画鑑賞。DV夫から逃れるため二人の子どもを連れてニューヨークに出てきた主人公(ポスター左上)。かといって知り合いもなく、ほとんどホームレス。しかもDV夫は警察官なのですぐに居場所を探されてしまう。食べ物を買うお金もないのでレストランで客が帰った席に座り、客のふりをして残った料理を食べたり。あるきっかけでロシア料理店に入り、大きな丸テーブルの下に隠れて夜を明かす。それを見つけたここのマネジャー(ポスター右上)が眠っている主人公たちの横に食事のプレートを置く...悲惨な主人公親子だが、彼女が出会う人たちがほんの少しだけ力を貸してくれる。それが集まって主人公には大きな助けになるわけだ。そうなんだよね、べつに私財を投げ打って人を助ける必要はない。みんなが少しだけ、自分の生活に影響を与えない程度に少しだけ助力をしてくれればいいのだ。あらすじや予告編から予想されるイベント(住むところができる、DV夫と別れることができる、マネジャーと恋におちる)があり、実際にそのとおりに起こるわけだが、その描き方がすごく薄味。無理にドラマチックにしないので、逆にじわじわと胸に浸みる。こういう表現があるんだな。監督を調べたら「人生はシネマティック!」の人か。映画館で観る必要があるのかはわからないが、良い映画だった。

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2020年の個人的シネマアワード。

大賞
  邦画  「前田建設ファンタジー営業部」「スパイの妻」
  洋画  「コリーニ事件」
次点
  邦画  「あなたみたいに、なりたくない。」「スマホを落としただけなのに」「もみの家」
  洋画  「ミッドサマー」
功労賞
  「ワンダーウーマン1984

最後のは大作がことごとく先延ばしになる中でよくぞ年内に封切ったという意味で。