1月に読んだ本

休みが多い月ってあんまり本が読めないんだよね。

魔術師の視線

魔術師の視線

超能力少女で人気を博し、トリックがばれて消えていった少女。その原因を作った主人公の元に少女が助けを求めてくる。関係者の怪死、忍び寄る追跡者、二人の逃避行が続く。なにが真実でなにが嘘なのか、この少女はなにを隠している? 当たり外れのない作者、本作も最後まで緊張感を切らさずに謎を引っ張る。でも内容を忘れちゃった。


日本人が知らない集団的自衛権 (文春新書)

日本人が知らない集団的自衛権 (文春新書)

これを読むと、ニュースや新聞って、よく知らないで書いているのか、わかってて世論をどこかに持って行きたいのか、どちらにしてもマスコミとか「有識者」って怖いと思う。前者なら無知が怖いし、後者なら悪意が怖い。


企業が起こした著名な大失敗を紹介するドキュメント。当事者はそれなりによかれと思って考え行動しながら破局に向かう過程がスリリング。いまから50年も前に書かれた本なのに古さを感じない。さすがにいまでは法が整備されていて同じことは起こりえない事例もあるが、近いことはいまでもある。50年では人間は進歩しないのか。


最後のトリック (河出文庫)

最後のトリック (河出文庫)

目撃者が犯人、探偵が犯人、被害者が犯人。これはある。だが、「読者が犯人」はありえるのか? ミステリー作家のもとに「読者が犯人」という究極のトリックを考えた、あなたに2億円で売りたいと手紙が届く...はっきり言おう。これはとんどもない駄作だぞ。本格ミステリーのふりをして超自然的な解決をつけてはいかん。


その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

「このミステリーがすごい」の昨年度の海外部門で1位だった小説。ある女性が誘拐され監禁される。警察の必死の捜査、その女性は生命の危機にあることがわかる。あらすじを書けるのはここまで。3分の1あたりでいま私が書いた部分は解決してしまう。残りはなんの話? と思うと、ストーリーはとんでもない方向に展開する。それがまた3分の2あたりで解決してしまう。残りは? と思うとまたストーリーが別の方向に展開する。これはまいった。ロバート・ラドラムの「暗殺者」以来の「そう来たか! その手があったか!」本。


非写真

非写真

写真にまつわるホラー短編集。やはり小説そのものが上手な人が書くとホラーってこうなるんだとあらためて感服。ホラーってなんらかの形で「死」が関係してくるでしょ。その死に対する悲しみを丁寧に描くと怖いより切ない話ができあがる。舞台がどれも岩手県東日本大震災の悲劇が下敷きになっている話が多い。


これもホラーだが、新しい形。どこまでが実話でどこからが創作かわからないのだが、著者が主人公。仲の良い編集者が集めた実話系の怪談話の2つに奇妙な相似点を見つける。探せばもっとあるかもと、時代も場所も異なる5つの怪談話が集まる。一つ一つが読み応えがあるが、最後にその5つの話を貫く因果を、ホラーの文法を使って解明する最終章がおもしろい。


著者は現役の医師らしい。強盗犯が病院に立てこもる。アルバイトの夜勤当番でこの病院にやってきた主人公である医師、わずかな人数の看護師、経営者である院長、そして強盗犯が連れてきた人質。だがなにかおかしい。この病院にはなにか秘密がある...その秘密が私は4分の1あたりでわかっちゃったから。それがわかっちゃうとけっこう退屈な残り4分の3...

読書といえば、芽森さんのブログで質問コーナーがあったんだよ。質問したのは私を入れて4人だけだったのだが(泣) 読書が趣味だとビデオのインタビューで言ってたので「好きなジャンルとか好きな作家とか読書の傾向があったら教えてください」と質問してみた。たぶん、けっこうガチな読書だと思うのだよ。女性の作家だったら恩田陸とかじゃなくて、三浦しをんよりもっと重い、角田光代を通り越して小川洋子あたり。その返事が

  最近はノンフィクション物をよく読みますね。少し重い内容にはなりますが、戦争のお話を読んでいます!

ノンフィクションか。しかも戦争のお話。なんだろう、戦火の中でもたくましく生きる子どもの話とか、太平洋戦争中にあったちょっといい話、ほろっとする話かな。

  世界で起こってる紛争だったり、日本の歴史だったり。。色々勉強してます! 最近はルワンダの歴史について学んでます

...芽森さん、なぜこの職業を選んだ???