1号は大気圏で燃え尽きたけど、2号は地球にカプセルを落としてつぎの目的地に旅立っていったんだね。もし地表を見ることができたら「なんでみんなマスクしてんの？」と思ったことだろう。故障だらけ、トラブルだらけの1号だったけど、2号は鮮やかだった。あれは1号の経験でどこが故障するかがわかっていたのと、こういうトラブルがあったらこうやって対処するというノウハウが蓄積されていたからなんだよね。対処方法がわかっていれば、それはトラブルではない。科学においては失敗はないと言われている。「このやり方ではダメなんだ」と選択肢をつぶすことができたのは大きな成果。科学に限らずなんでもそうなんだけど、1号のうちに失敗をしておく。それが2号で役に立つ。だから子どもや会社の新人が失敗したからといってむやみに怒ってはダメなんだよね。「ほらね、君のやり方だとこういう結果になるんだ。つぎはこうやってみよう」と教えてあげるだけで良い。
はやぶさ2のサイト、先週までは地球までの距離がカウントダウンされていたが、今週からは地球からの距離がカウントアップされている。1号が戻ってきたとき「大気圏で燃え尽きるなんてかわいそう。網ですくえないと」と言った人がいたが、このカウントを見るとそれが無理なのがわかる。1秒に5km以上も飛ぶんだよ。時速5kmでも分速5ｋｍでもないよ。秒速5kmだよ。つぎの惑星に到着するのは11年後だって。それまで生きてるのかなあ、オレ。はやぶさ2ほどの旅ではないが、私も明日から名古屋と大阪に行ってきます。
