3月に読んだ本

アリバイ崩し承ります

このでかすぎる画像、なんとかならないのかな。新米の刑事がふと立ち寄った時計屋。そこには「アリバイ崩し承ります 5,000円」の張り紙。店主は他界した祖父から店とアリバイ崩しを引き継いだ若い女性。犯人はわかっているのだが鉄壁のアリバイがある。そんな事件のあらましを刑事が娘に聞かせるとすぐに真相がわかってしまうという連作ミステリー。これは映画向きなんだけどなあ。主演は有村架純でいいや。*1

 

スイート・マイホーム

地下室に設置されたエアコンで家中が暖かい「まほうの家」と呼ばれる新居に引っ越した家族。だが不可思議な出来事がつづき、この家にはなにかある...中盤まではいい。前半と後半でいい人と悪い人が入れ替わるという展開や謎の出し方。だがクライマックスの展開が月並みで予測が付いてしまう。また、ただ胸糞悪くするだけに取って付けたようなラストシーン。次作に期待だ。

 

あなたの罪を数えましょう (講談社タイガ)

同時に行方不明になった友人たちの調査で廃工場にたどり着いた探偵と助手と依頼人。そこで見つかる惨殺死体。その話と、そこで起こっていた映画「SAW」のような監禁+罠もののスプラッターストーリーが並行して描かれる。この二つの話の時差がメイントリックだなとわかってしまうのと、強引な動機が鼻につくのが難点。これも次作に期待だ。

 

これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講

タイトルが大げさ。要するに様々な分野の第一人者(なのかどうかよくわからないが)との対談集。タイトルの「教養」というより「蘊蓄」のためならどの専門家の話も興味深く読める。

 

顔のない肖像画 (実業之日本社文庫)

高い評価を受けながらも夭折した著者の短編集。どれも真相のひねり具合がさすが。ただ、いま読むと古さを感じてしまい、かといって山田風太郎ほどのノスタルジーもないので、また20年後くらいに見直されそう。

 

錆びた滑車 (文春文庫)

タフだが不運で貧乏な中年女性の探偵・葉村晶のシリーズ。今回もいきなり大怪我をして、お金がなくて、スマホが壊れて...探偵といっても関係者を居間に集めて密室殺人の真相を語る名探偵ではなく、浮気の調査や人捜しをする探偵。その主人公がトラブルに巻き込まれて右往左往する。だが名探偵ではないのでホームズなら最短距離でたどり着く真相に、回り道をしながら、最初の段階ではこれが事件なのかもわからないまま一歩ずつ読者と一緒に先に進む。

*1:いいやって