8月に読んだ本

クソ暑い8月はややこしい本は無理。分厚い小説で攻めてみたよ。休みも多かったのでそれぞれ1週間かかった。

平凡な革命家の食卓

平凡な革命家の食卓

ただの病死のはずだった。それを手柄を立てて本庁に行きたい女性刑事が無理矢理、殺人事件にする...と、ここまで書くとストーリーが予想できるでしょ。違うんだなあ、私も騙されたよ。事態は二転三転して思わぬ方向、ある意味、主人公が望む方向に転がっていく。タイトルは意味不明。


ノーマンズランド

ノーマンズランド

これは昔に読んだ「ストロベリーナイト」に出てきた女性刑事のシリーズなんだな。私は見てないがドラマ化されたときは竹内結子がやってたはず。事件の捜査と、少年と少女の純愛が並行して描かれる。事件の糸口が見えて、少年少女のいまが明らかになったとき、この本のタイトルとカバー絵の意味がわかる。シリーズ物なんだが、この女性刑事の性格描写が弱いんだよなあ。


ののはな通信

ののはな通信

全編が「のの」と「はな」の往復書簡になっている。二人の中学生時代が第一部。その3年後の高校生時代が第二部。その30年後が第三部。友情が愛情に変わり、愛情が憎しみに変わる。相手を傷つけているのにそれに気がつかない若さ故の傲慢さが読んでいて苦しい。手紙の体裁なのにグイグイ読ませる作者の筆力はさすが。どうなったのかわからないラストがやたら悲しい。


実話風怪談物と並行して書かれている探偵物のシリーズ。ある村に伝わる、江戸時代、明治時代、戦前の昭和、そして現代の怪談。調査に来た主人公の前で起こる連続殺人事件。こちらは怪異とは関係なく論理的に解決がされていく。ワトソン役の女性がとにかくウザい。そういうキャラに描かれているのでそれで良いのだが、ウザすぎてけっこう読み進めるのが邪魔。


作者の得意な叙述ミステリー。別々の境遇で育てられ、別の人生を歩んでいる双子の話が並行して綴られ、二人が出会うとき事件が起こる。今回は仕掛けが大がかりすぎて逆に先が読めてしまった。全体的に荒さが目立ったのが残念。


拝み屋怪談 鬼神の岩戸 (角川ホラー文庫)

拝み屋怪談 鬼神の岩戸 (角川ホラー文庫)

相談者から聞いた実話怪談の合間に、作者が長期間に渡って関わっている事件が差し込まれる作者の得意な体裁。後者の方は、本当にこんなことあんのかよと思うが、あんまり疑って自分の身に起こると怖いので疑問を持たないことにしよう。