6月に読んだ本

思考停止という病

思考停止という病

タイトルにひかれて読んだが物事をもっとよく考えよう、それにはどうしたら良いかという本だった。残念...


福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

この本は前から知っていて表紙のイラスト、青年が主人公なのかなと思ってたら中年の女性だった。内容は完全に「刑事コロンボ」。高名な人が殺人を犯すところから犯人視点の物語が始まる。その犯人の前に警部補が何度も現れて犯人がいらついて...この小説は4年前に壇れいが主演でドラマ化されていたんだな。


日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書)

日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書)

この本は「不都合な真実」にインスパイアされて、正確にはそれだったら俺の専門じゃないかと急いで出版したと書いてある著者が正直すぎる。嫌いじゃないぞ。生物の一つである人間も遺伝の影響から逃れられないのは学者の間では常識。実は何十年も前から一卵性双生児の長期間に渡る追跡調査でかなりのところまで統計学的な検証もされた上で明らかになっている。前半は生活環境や本人の努力を取り除いた素の遺伝の話。後半は遺伝による生まれ持っての個人差がありながら同じ教育や評価をする愚とあるべき教育への提言。教育関係者が読んだら噴飯ものの内容だ。


そして、バトンは渡された

そして、バトンは渡された

親が離婚や再婚を繰り返し、3人の父親と2人の母親がいる17才の少女。貧乏な時代もあったがどの親も主人公を愛してくれて自分の境遇を嘆いたことは一度もない。タイトルの意味は「親になることの幸せは、自分が知らない大きな未来にバトンを渡せることだ」。そう願って2人の父親と1人の母親は自分の子どもではない主人公を育て慈しんだ。ただ、どの親も大きな気負いなしに淡々と主人公と接しているのがすごくいい。


全米は、泣かない。

全米は、泣かない。

副業でラジオCMのライターをやっているお笑い芸人が教えを請うために著名なクリエーターの先輩と対談をする。各章の最後に先輩からお題が出され著者が作ったコピーやシナリオに付けた先輩の添削が面白い。この業界の人の本を読んでいつも思うのが、どの人も感性やひらめきで仕事をしているわけではなく、膨大な知識と不断の努力なんだよなあ。


この100年くらいの間に、その時代に大きなインパクトを与えた広告を取り上げ、時代背景、それを作った人や会社、その広告のどこがどう優れているかを解説。この分野だとアメリカが圧倒的に強いんだな。優秀な人が集まったというだけでなく、国土の広さ、他民族、悪い意味での教育水準など、一つの新聞広告、一枚のポスターで短く簡潔に訴えないと伝わらないという背景もあったと思う。


現世怪談 開かずの壺

現世怪談 開かずの壺

新耳袋」の著者の一人の実話怪談集。この著者だけで相当な数の本が出ているが、いったいどれだけの怪異が起こっているんだ。


教場 2 (小学館文庫)

教場 2 (小学館文庫)

警察学校を舞台にした連作ミステリー。しかし、本当に警察学校は厳しいよ。この本を読み終わったころ、若い警官が住民台帳の調査で家に来た。この本の話をして、こんな厳しい訓練を受けていることを知って以来、私は警察官を見る目が変わったと話したら笑っていた。ただ、厳しかったのは彼の代までで、いまは少し緩くなったそうだ。なんでも全員が辞めてしまった年があったそうだ。


T島事件 絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか

T島事件 絶海の孤島でなぜ六人は死亡したのか

ロケハンのために無人島に渡った6人のクルーが翌日に全員死亡。ビデオテープが残されていて警察の見解は「事故と自殺」だが、そこに事件性はないのか探偵が調査を始める...ラストがよくわからなかったよ。