9月に読んだ本

営繕かるかや怪異譚

営繕かるかや怪異譚

家に起こる怪異をリフォームで解決する主人公の連作短編集。お化けを退治するとか幽霊をお祓いするのではなく、家の構造や家具の配置が原因で彼らが感じているストレスを取り除いてやるという実に消極的な対処法。だが霊も住民だと考え、彼らの住みやすい家や町にすると人間にサインを送らなくなり人間からは感じなくなる。迷惑な隣人のためにこちらも譲歩をすればおとなしくなり隣人の存在自体を意識しなくなるわけだ。


いつもの寝る前に読んでいたホラー短編集。


「言葉にできる」は武器になる。

「言葉にできる」は武器になる。

聞いている人が耳を傾けてくれ納得や感心をしてくれるような「よい話し方」をするにはどうするか? スピーチの本とかはあるが、この本は「よい話し」をするにはまず「よい思考」をしてなければならないと教える。英語がペラペラの私の会社の社長が「英語は勉強して欲しいが、そもそも外国の人が『こいつの話を聞こう』と思うような人材になるのが先だぞ」と言ったのを思い出した。


具体と抽象

具体と抽象

抽象化するということがいかに大事なことかを説いた本。薄くてイラスト満載なので高校生や大学生に読んで欲しい。


言葉が鍛えられる場所

言葉が鍛えられる場所

サブタイトルが「思考する身体にするための18章」。中身が想像とちょっと違った。


ミライの授業

ミライの授業

著者が中学生向けに行なった特別授業を本にしたものらしい。著者が伝えないメッセージにそった偉人伝なのだが、その選び方が面白い。看護師ではなく統計学者として数値とグラフを武器に医療機関の改善に貢献したナイチンゲール。文学者ではなく既成の概念を捨てられなかったために多大な犠牲者を出してしまった医学者としての森鴎外。これは今月いちばんの推薦書。「世界を変えてきた変革者たちは小さな違和感を大切に育て、自分だけの『賛成する人がほとんどいない大切な真実』を持っていたはずです」に泣けた。


実話ホラー 死霊を連れた旅人 (だいわ文庫)

実話ホラー 死霊を連れた旅人 (だいわ文庫)

この人の山岳怪談は本当にハズレがない。一つの話が10ページくらい。話によってはそのうち8ページが登山の道中の記録、怪異は最後の2ページで、最初の8ページはべつに伏線になっているわけではなく、ただの山登りの話。だが山登りにまったく興味がない私でもそこが引き込まれる。


死仮面

死仮面

週末だけ訪れる同棲相手の突然の死。自分はこの人のことを何も知らないと気づく主人公の女性。並行して描かれる親子の物語。たぶんこの人とこの人が同一人物なのだろうと予測をして読み進めるとアクロバティックなクライマックスが待っている。


誰からも好かれる NHKの話し方

誰からも好かれる NHKの話し方

NHKってすげえな。この本を読んでそう思った。ここのアナウンサーは東京の本社で一括採用。その後、全員が地方局の勤務になる。地元のニュースは自分で取材して原稿を書きテレビやラジオで話す。タレントをめざしちゃってるフジテレビとは方向性も志も違うのな。


引っ越しをして本を格納する場所が狭くなった。そこで「kindle版が出ている新刊書はすべてkindleで読む」と決めた。すると本屋で読みたい本を見つけたらスマホkindle版があるかを検索して、あったら欲しいものリストに入れる。なかったらその場で買うか、書籍版を欲しいものリストに入れる。これをやると衝動買いが無くなり(ウソです。衝動買いが少なくなり)クローゼットがすっきりする。kindle版だと物を買う喜びがない、購買欲が満たされないのであせって買わない。みなさんもお試しあれ