真夏のビデオまつり

そろそろ夏も終わりだね。
     
ジェニファー・コネリーがクソかわいい。いまから20年前の映画だが古さは感じない。逆にフィクションの世界、小説も映画もそれほど進歩してないとも言える。この映画を一言で表わすと「壮大なホラ話」。


     
SAWのプロデューサーだか監督の作品らしいが、主人公は夫婦。自分たちの子どもを誘拐して殺した犯人を、輸送車を襲撃してつかまえて拷問にかけるお話。やはりこの手の話は、視点が被害者側(拷問における被害者、つまり犯人)にないとダメだと思った。本作は加害者側(子どもを殺された夫婦)から見た話なので怖さが無い。最後にとんでもないオチが待っている。


     
Amazonからあらすじを転記するね。「1996年、戦争により荒廃したバルカン半島では軍による民間人への武力制圧が行われていた。エンジェルの住む村もその被害に遭い、彼女は母親を目の前で射殺されてしまう。そして残された村の若い女達と共に、売春宿へと連行されるのだった。それから幾日か経った頃、村を襲い母親を殺した軍人達が屋敷を訪れ、今度はエンジェルの友人が無残にも殺されてしまう。怒りに震えるエンジェルは復讐と、屋敷からの脱出計画をついに実行する」。まずいまからたった20年前のヨーロッパでこんなことが行なわれていたのが驚きだよ。タイトルもこのあらすじも誤りがあって、主人公の戦闘能力はゼロなので積極的に復讐をするわけではなく、ただ逃げ回るだけ。その過程で母親を殺した軍人のグループが少女のちょっとした反撃で一人ずつ命を落としていく。ラストがハッピーエンドなのかバッドエンドなのか見る人の想像しだいになっている。


     
ジェシカ・アルバ主演のホラー映画なので見てみた。カルト宗教のコミュニティ全員が集団自殺をした事件の生き残りの幼い少女。20年後にジェシカ・アルバ率いる撮影隊が彼女を連れてその場所に行って番組を作る話。そのそもそこで何があったのか、彼女も記憶がなく残り全員が死亡したのでわからない。小屋に置いてあったビデオテープで徐々に判明すると同時に怪異が起こりクルーが一人ずつ犠牲になっていく...後半がぶっとびすぎて怖くなくなるのだが、もう少しなんだかわからない状態を引っ張った方が良かったと思う。


     
この映画を言い表わすならスティーブン・キングの「IT」+「エイリアン」または「遊星からの物体X」。この映画の原作もスティーブン・キングか。とにかく詰め込みすぎ。前半の少年時代から続く5人の友情の描く叙情が、後半になると大暴れするエイリアンとか、軍の内部の対立とかでぶち壊し。もっと話を間引いて、エイリアンも最後の最後で出すとか...それだと「IT」と同じか。


     
園子温監督のホラー映画。でもそもそもこの監督の「冷たい熱帯魚」とか「恋の罪」は怖いでしょ、スプラッターでしょ。その監督がホラー映画を作るからすべてがやり過ぎ。「ここは笑うところなのか?」という場面が多くて。それでも、この映画で怖かったのがたびたび出てくる栗山千明のアップシーン。主役で被害者なんだけどね。