国民的タレント

きょうは借り物のネタで*1。Leo16さんの記事*2に5月8日に放送の「中居正広のミになる図書館」での「5万人が本気で選んだ最も美人だと思う女性芸能人ランキング」というのがあった。
     
以前の北川景子は20代、30代には圧倒的な知名度と好感度だったが高齢層に弱かった。だが50代で1位、60代でも2位なのでこれはもう(私は好きな表現ではないが)国民的タレントと言ってもよい。たぶん高齢層への浸透があって来年の大河ドラマへの出演が可能になったのだろうな。当然、「家売るオンナ」の功績はでかいと思う。
北川景子の話はそれで終わっちゃうのだが、せっかくなのでもう少しこの表をよく見てみたい。まず統計で大切なのがサンプル数。「5万人が選んだ」と書いてあるのでサンプル数としては十分だ。統計学的には500もあれば日本の国民の総意と言ってよいことになる。問題はサンプルの集め方だ。ネットの調査だと、そもそもネットにアクセスできる人という偏りが生じる。5万人だと訪問調査は不可能なのでネットではないか? すると50代までは良いが60代は怪しい。60代でネットを使う人は北川景子を好きそうな気がする。私がそうだから。あとはテレビ局や新聞社がよく使う電話調査というのがあるね。これはネットに比べて無作為っぽい感じがするが、電話をするのが平日の日中だったりして、そうなるとその時間に家にいる人って専業主婦とか高齢者だよね。とくに都市部の団塊ジジイは左巻きなので朝日新聞東京新聞にはもってこいの調査になる。さらに一人暮らしの若い人は携帯電話しか持ってない。あと街頭インタビューがあるね。これも時間帯と場所で傾向が分かれる。夜の新橋と休日の原宿ではまったく違う結果になるだろう。そう考えると、5万人の回答って人数が多すぎて調査の手段が限られてくるので逆に偏りが出てくる可能性が捨てきれない。
いちおう調査方法は信用できるとして、その中身を見ていきたい。まずはこの表を1位を5点、2位を4点、以降、順に点数を下げて5位を1点としてグラフにしてみた。
     
北川景子の安定感が半端ねえー! 40代から出現する夏目雅子さんだが、もし御存命だったら順位はどうなっていたか。もちろん1位になっていた可能性もあるけどね。これを見ると20代と30代、50代と60代で傾向が似ていて、40代はそのミックスという感じがする。つまり石原さとみ世代の20-30代、吉永小百合世代の50-60代。あるいは新垣結衣世代の20-30代、夏目雅子世代の50-60代。だがここでちょっと疑問に思うのが50代だ。私よりちょっと若い世代だろ。その人たちにとって吉永小百合ってどういう存在だ? 「寒い朝」とか「いつでも夢を」を歌っているのを見たことがあるのは私がギリギリではないか? 吉永小百合は大作映画が中心の活動で、むしろテレビでよく見たのは松原智恵子とか多岐川裕美だったよ。この世代は山口百恵天地真理キャンディーズ。50代前半ならピンクレディ、小泉今日子中森明菜ではないか。だが質問が「美人」だからこのあたりの人が外れるのか。それにしても50代が吉永小百合かよ。たぶん50代の人に、いまから30年前に同じ質問をしたら上に名前をあげた人を出したのではないか。それがオッサンになって「可愛い人」と「美人」は違うよねと思って、自分が昔好きだった人の中で「美人」が思いつかなくて吉永小百合になったのではないか。その意味では正統派の美人が珍重されなくなって、「個性的」や「可愛い」にシフトしたのがこの世代からなのだと思う。さらに20代のラインナップを見ると、女優か、女優もやっているモデルでしょ。40代以上の人が若いときに人気があったタレントってまずは歌手だよね。スマッシュヒットでも10万枚、大ヒットなら100万枚。おまけや握手券なしで100万枚が出た時代だからまずはレコードを出す。そうなるとますます美人であることの重要性は薄れてくる。曲がヒットして、美人のカテゴリに入ったのってあべ静江くらいじゃないか。考えればまだまだ考察ができそうなグラフだが、きょうはこのへんで

*1:「きょうは」って、いつもは違うとでも

*2:http://d.hatena.ne.jp/Leo16/20170513