真夏のビデオまつり

今回はなかなかの佳作ぞろいだった。

私のトラウマ映画。ただなので10数年ぶりに見てみた。意味不明だったラストシーン、以前に見たときは14インチのアナログテレビで見たのでわからなかったが
     
ウエイトレスが右手に包丁を持っている。拡大すると
     
やっとわかったよ、感染したんだ。Amazonビデオって残酷なシーンとかエロシーンをカットしているような気がする。この映画はもっとエグいシーンがあったような。


サプライズ(字幕版)

サプライズ(字幕版)

両親の家に来た4人の息子。それぞれ妻や婚約者を連れていて計10人。パーティを始めようとすると家の外からいきなり矢が飛んできて一人死亡。訳がわからず騒ぐ家族、一人また一人と撃たれる。敵の目的は何なのか? てっきり普通の家族が見えない敵の襲撃に怯えるスリラーかと思ったが途中でストーリーは意外な方向にねじれていく。タイトルの「サプライズ」は、家族にとって悪い驚きと良い驚き。後半は「マスター・キートン」や「探偵の探偵」みたいな話に。


タイトルの「ギフト」とは主人公の血筋が神から与えられた(つまりギフト)予知能力のこと。事故で夫を失った主人公はギフトを使って占いで日銭を稼ぎながら3人の子どもを育てている。相談者に暴力を奮うDVの夫とか、一癖も二癖もある人がいろいろ出てくる中で、主人公が思いをよせていた教師の婚約者が失踪する。主人公は超能力でDV夫の土地にある池に婚約者が沈められているのを見るが...なかなか凝ったストーリーと意外な犯人、そして意外なオチ。いちばん驚いたのがこのDV夫がキアヌ・リーブスだった。事件の重要な鍵を握っているとか、最後の最後の主人公を助ける、ということはなく、本当につまらない役で後半は登場しない。あまりにつまらない役なのでそっくりさんかと思ってエンドクレジットを見たら本当にキアヌ・リーブスだった。


都市伝説セピア【DVD】

都市伝説セピア【DVD】

切ないホラーの朱川湊人原作の小説は読んだ。都市伝説を題材にした30分くらいの話が3本でWOWOWのオリジナルドラマだったらしい。3本ともよくできた佳作で、1本目は犯人の目から見た物語、2本目は少年時代の主人公が田舎で体験したノスタルジックな切ない話、3本目はインタビューに答える画家の回想と、3本ともタッチが違うのが素晴らしい。とくに2本目は胸が締め付けられるぞ。


高層ビルのエレベータに閉じ込められた5人の男女。突然に照明が消え、点くと一人殺されている。この中にひとり悪魔がいると確信する迷信深い警備員、殺人事件として5人の身元調査をする刑事、エレベータから救出しようとする消防隊。冷徹な殺人者なのか、本当に悪魔なのか、救出が遅々として進まない中、また一人殺される...


映画の公開に合わせて放送されたテレビドラマ「SPEC」の初回のさらに前を描いた特別ドラマ。戸田恵梨香はなんで腕を吊っているのかがわかる。


感染すると突然に自殺してしまう病気がニューヨークで発生しいきなりパンデミック。家族と西へ逃げる主人公たちを病が追いかけてくる。ストーリーは単純だが意外と面白い。感染者はどんどん増えるが、自殺をしてしまうのでゾンビのように他人を襲わない。勝手に死んじゃうので。


クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

POV方式(Point of View Shot)の映画というのがある。ブレア・ウィッチプロジェクトとかパラノーマル・アクティビティとか。画面が人間の視界分の大きさ、さらに横やうしろはそっちを向かないとわからないので恐怖感が倍増する。ホラー映画でけっこう使われている手法だが、これはPOV方式の怪獣映画。たとえばゴジラは鳥の視点というか神の視点で描かれているので観客は冒頭から全身を見ることができる。だが実際に都市の真ん中に怪獣が現われたらビルの陰で姿がよくわからないわけだ。しかも自分は逃げなければならないのでよけいに正体がわからない。こういう見せ方があるのかと感心した。ただし、全力で走っている人が持っているハンディカメラの映像なので画面の揺れが半端ない。人によっては乗り物酔いになるらしい。

今回の映画は1,800円の価値があるかは人によるが、見て損はない佳作ぞろいだった。このくらいのクオリティの映画がわざわざ映画館に行かなくても定額の会費で見られる時代になったのだ。数十年前に比べて観客数が激減してる映画だが、こういう形で人々の目に触れるなら映画館の観客は減っても、映画を見ている人の数はそれほど減ってない時代になるのではないか。