真冬の映画まつり「いしゃ先生」

知らないだろ、こんな映画。山形県の辺境の無医村で51才の短い生涯を村人の医療に捧げた志田周子(ちかこ)という人の生涯を描いた作品。めんどくさいから公式サイトからあらすじを転記。

     

  昭和10年、出羽三山の主峰・月山の麓を、急ぎ歩く女性がいた。志田周子(ちかこ)、26歳。

  故郷の父から『ハナシタイコトアリ スグカエレ』という電報を受け取った周子は、取るものもとらず帰郷したのだ。

  山形の農村出身の彼女は、努力して東京女子医専(現・東京女子医大)に入学し、医者になったばかりだった。

  ——風が鳴く峠のてっぺんに立つ、周子。眼下に懐かしい景色が広がった。8年ぶりの美しい故郷だった。久しぶりの実家。

  幼い弟たちは周子に甘え、母・せいが手料理でもてなす。温かい出迎えを周子は喜ぶが、父・荘次郎の様子がおかしい。

  大井沢村の村長だった荘次郎は、周子の了承も得ぬまま周子名義で診療所建設の予算を通し、すでに建設が始まっていたのだ。

  「頼む、周子。3年だけお前の人生を俺にくれ。その間に必ず代わりの医者を見つけるから」父に頭を下げられた周子は、

  怒ることはできなかった。無医村のこの村に医者を置きたいという父の願いは、誰よりも理解していたから。

  まだまだ未熟な自分が一人で診療所の医師などつとまるのか……不安を抱えつつ、周子は3年間だけ頑張ってみようと心に決める。

  東京にいる想い人の存在を胸に秘めながら。

  ——自身に降りかかる数々の試練に耐え、過酷な運命にも負けず、昭和37年にこの世を去るまで、

  たったひとりで村人の命を守った「いしゃ先生」の愛と勇気の物語。

これを読んだら主役は誰だと思う。そう、北川景子とかいいよね。あるいは松下奈緒とか。ところが
     
平山あやだよ。なんで松下奈緒じゃなくて平山あやかというとお金がなかったからだ。なんでもこの人は地元では伝説になっている人物で、志田周子先生の映画を作ろうと1,700人が募金をして1,900万円を集めたらしい。その1,700人の名前がエンドクレジットの最後にザーっと出てくるのは圧巻。舞原監督の映画もこうなるはずだったのに。で、なんで私がこれを観に行ったかというと、平山あやが主演だからだよ。悪かったな。平山あやは可愛いじゃないか。平山あやとか深田恭子とか、愛くるしい的な可愛い人が30代になってもまだ可愛いのって最強だろう。地方の漁場のそばの民宿で出てくる、刺身でも食べられる魚を焼き魚や煮魚にしたあれな。
しかし昭和10年の山村ってこんなだったんだな。主人公が診療所を開いたのに誰も来ない。しかたないので家を回ると、そもそも医者にかかるという習慣がなくて、しかも女の医者なんてと信用が無い。そして呼ばれたときはもう手遅れになっている。そんな主人公が村人の信頼を得て、東京に残した恋人との未来を諦めて約束の3年を過ぎても村に残ることを決めるまでが上映時間の9割。ラストは保健分野での最高峰の賞である保健文化賞を授与されるところだが、このとき主人公は48才。この映画、なぜか主人公を老けメイクにしないのでふつうの平山あやがいた。監督も有名な人ではないし、連続ドラマにもできる内容なので2時間に収めるとテレビの再現ドラマ的な底の浅さがあったが、山村の話なので景色はきれい。とりあえず平山あやが好きな人は必見だ!