正月DVDまつり「死ぬまでにこれは観ろ! キングDVDセレクション」

いきなり更新が空いちまったぜい。Amazonで「死ぬまでにこれは観ろ! キングDVDセレクション」というコレクションがあったんだよ。安かったのとボーナスをもらったばかりで気が大きくなってたので3枚も買っちまった。「死ぬまでにこれは観ろ」を観た感想。

  こんな映画、観ないで死にたかった

そう思った3本はこれな。
     

          どれも完成度は高い。じつに高い。脚本、演出、特殊効果、演技とも高い水準なのだ。最後までちぐはぐな感じがした「クロユリ団地」や「劇場霊」に比べて、こういう作品にしたいという監督の思想に対してストーリーや演出がぶれてない。映画としてのまとまりが良い。だが、

  その思想が狂っている

怖い映画とか気持ち悪い映画ってあるでしょ。これはそういうのとは違うんだな。一言でいうと「痛い映画」。いちばん近いのは「ソウ(SAW)」だが、あれはジグソウがみずからの正義に基づいて、彼が悪とみなす人間をとっ捕まえて死のゲームをさせる。それを警察が社会の正義に基づいて被害者を救出し(ほとんどできなかったけど)犯人を逮捕しようとする。映像は痛いけど、メインストリームは正義と正義のぶつかり合いというわかりやすい作りになっているでしょ。でもこの3本は無茶苦茶だから。
それでも映画としての完成度は高いのよ。1本目は虐待された少女とその親友の少女の10年後の話。虐待された過去を持つ少女が突然、ある家に突入し一家を皆殺しにする。それを知った親友がその家に行き、まだ錯乱状態の少女の代わりに死体を隠そうとする。ここまででその先のストーリーって何パターンか想像つくでしょ。どれもハズレ。まったく予想が付かない展開になる。その展開がわかると前半の意味もわかるのだが、この映画の主役は親友の少女の方だったとは。そしてラストも見事なのだが、こんな話を考えるのが狂っている。
2本目は交通事故で夫を失った女性が心の傷も癒えぬまま出産の日を迎える。陣痛が来るまで家で待機していると変な女性が現われて襲われる。この二人の攻防戦や、あとから家に来る母親、会社の上司、警察官、助かったかと思うと助からない展開も見事なのだが、ラストがエグすぎる。こんな映画を作っちゃいかんだろ。
3本目は東欧を旅する男友だち4人。ある街でエロいことができるという噂を聞き、そこのホテルに宿泊する。だが友人が一人ずついなくなって、同宿した女の子のグループも一人ずついなくなって...この作品も先がまったく予想できない。予想できないのは想像力や推理力が無いからではなくて、正常だからだ。全貌が明らかになってからのスピーディーな展開はよくできているのだが、そもそもこんなことを考えてはいかんし、映画にしてもいかん。
ということで正月早々、後味が悪いことこの上ない映画を3本。パッケージは捨てちゃったけど、DVD(最後のはBlueRay)はまだあるので、お年玉プレゼントとして欲しい人は送料こっち持ちで先着1名様に送ってあげます。希望者はメールをください。でも観ないで死んだ方がいいからね