北川景子「北川景子に見る本当のプライド」

よく「あいつはプライドが高いから...」という言葉を聞くが、他人からこう言われてしまうあいつさんはプライドが高いのではなくて見栄っ張りなのだと思う。「見栄」と「プライド」は違う。プライドが高い、つまり自尊心がある人は自慢をしないし他人の評判なんか気にしない。なぜなら自分が大切にしている自分自身のどこか、自分の中にある尊ぶべき部分がわかっているので、まわりの評判なんか気にしないのだ。そして自分の中にある尊ぶべき点がわかっていれば、そうでない部分もわかっている。だからその部分を批判されても真摯に耳を傾けることができる。他人をほめることにも抵抗がない。逆に自尊心がない人は自分のすべてを守らなければならない。なので、誰かがその人を攻撃しているわけではないのに、その人のためを思って指摘をしているだけなのにやたら守りに入って、しまいには怒り出す。「え? そこって君が誇っている点だったの」と驚く。
そんなことを考えたのが北川景子のブログ。北川景子ももクロの映画を観た。それだけでもスゴイのに

  とにもかくにも、ももクロが素晴らしかったです。

  彼女たちの真摯な芝居、それぞれの素材を生かして頂いた愛のある演出で、5人がキラキラと輝いていました。

  (中略)

  映画を見ていて、忙しい彼女たちにこの映画の撮影は大変だったろうと思いましたが、本当に5人ともよく頑張った。

  夏菜子も、しおりんも、あーりんも杏果もれにも皆よく頑張った。瑞々しくて、生命力がはじけていて、とにかくかわいかった。

  愛のある現場に恵まれ、本当によかったねぇ。

  とはいえ私自身、見ているうちにこれがももいろクローバーZなんだということをすっかり忘れ、それぞれを役として見ていたので

  お客様にはエンドロールのクレジットを見るまではももクロだということを感じさせないと思います。

  それほど彼女たちは役に真摯に向き合っています。

  ももクロをご存知の方はもちろん、ご存知ない方にも作品に満足して頂ける映画だと思います。

北川景子ももクロを「かわいい〜」とか「ステージが楽しい〜」とか「ダンスが上手」とか「歌がうまい」*1とほめるのならわかる。だが芝居をほめているのだ。しかも映画。「HERO」以降、テレビドラマに出ていないのを見てもわかるように北川景子は映画に賭けている。その北川景子が役者でもないももクロの映画をこれだけの字数を使ってほめる。いくら同じ事務所の後輩だとしてもなかなかできることではないと思う。これがベテランの女優で「おうおう、若い子もがんばっているねえー」というのとは違う。「北川景子の映画といえばこれ!」と言えるほどの代表作がまだ無いのは本人がいちばんわかっているだろう。この人って、人生のいろいろな局面で損をしてしまうくらい真面目な人なんだなあとあらためて思った。
なお、よくよく読むと「真摯な」「キラキラと輝いて」「瑞々しくて生命力がはじけていて」「かわいかった」「頑張った」と、演技のクオリティには一言も触れてないのがわかるが...*2

*1:それはねえか

*2:でもこの文章のうしろで黒木華を女優として絶賛している