小池里奈「このミステリーがすごい!」レポ

年末に放送された小池里奈ちゃんと小松彩夏のドラマ。突っ込みどころがなくて話が複雑なのが一番レポを書きにくい*1小池里奈ちゃんが出たドラマの公式サイトでの紹介文。

  ミステリー&エンターテインメント小説の登竜門としては最高峰とされる宝島社“『このミステリーがすごい!』大賞”のなかでも、

  特に人気の大賞受賞作家たち4人による“書き下ろし短編小説”を『オムニバスドラマ』として12月29日(月)放送

ちょっと説明しておくと「このミステリーがすごい!」は宝島社が年に1回出しているムック本。国内外のミステリー小説を書評家とか大学のミステリー研究部とかけっこうな規模の投票を行ない順位を決めるもの。年末の本屋で「このミステリーがすごい!第1位」というポップを見かけたことがあるだろう。ちなみに昨年は国内部門が「満願」、海外部門は「その女アレックス」。CDの販売数やリスナーの支持とはまったく関係がなくなってしまったレコード大賞ほどではないが、芥川賞直木賞も実売に結びつかなくなっているという。これは当然の話で、これらの賞の審査員は自分のお金で本を買って読んでいない。よって直木賞を受賞するコツは「あまり厚くない(厚いと審査員は読むのがめんどくさい)」、「面白すぎない(権威が落ちるように審査員は感じている)」、「ドラマ化や映画化されていない(俺たちプロの目線で選んだんだぜと審査員が主張したい)」だと思う。伊坂幸太郎なんか毎回、候補にだけはなるのだが受賞をしたことがないので「もう候補に上げないでくれ」と宣言をしたそうだ。そういう選び方なので直木賞を獲ったときがその人のピークで、その後は活躍していない人も多い。直木賞とは逆に「金を払って本を読む」読者の立場で選ぶ賞として「このミステリーがすごい!」とか「本屋大賞」が最近、権威を持ってきた。だがこれにも長短があって「このミステリーがすごい!」のベスト10に入った作品とか本屋大賞を受賞する作品は読書家ならすでに読んでいる。または存在は知っているが自分の趣味に合わないのであえて読んでいない。
話を戻して、「このミステリーがすごい!」がだんだん権威を持ってきたので、発行元の宝島社が自社の売り上げに結びつけられないか考えた。その結果が『「このミステリーがすごい!大賞」ってのを作って、宝島社が版権を持っている作家に与えればいいじゃん』だ。小学館マンガ大賞とか講談社マンガ大賞と同じだな。非難してはいかんぞ。人間とはそういうセコい生き物なのだ。営業行為としては正しい。余談だが、なんらなかの賞をどれだけ真剣に決めているかを見る方法は「該当者なし」を出す年があるかどうかだ。角川が主催している日本ホラー大賞はすごいぞ。

  第1回(1994年) 受賞作なし

  第2回(1995年) 「パラサイト・イヴ

  第3回(1996年) 受賞作なし

  第4回(1997年) 「黒い家」

  第5回(1998年) 受賞作なし

  第6回(1999年) 「ぼっけえ、きょうてえ

  第7回(2000年) 受賞作なし

  第8回(2001年) 「ジュリエット」

  第9回(2002年) 受賞作なし

  第10回(2003年) 「姉飼」

  第11回(2004年) 受賞作なし

  第12回(2005年) 「夜市」

  第13回(2006年) 受賞作なし

  第14回(2007年) 受賞作なし

  第15回(2008年) 「庵堂三兄弟の聖職」

  第16回(2009年) 「化身」 

  第17回(2010年) 「お初の繭」

  第18回(2011年) 受賞作なし

  第19回(2012年) 「先導者」

  第20回(2013年) 受賞作なし

すげえだろ。賞の権威を守るとはこういうことだ。なんの話だっけ。そうだ、里奈ちゃんだ。里奈ちゃんは4話目に登場。
     
主人公であるお父さんの娘役。大学生だったかな*2。里奈ちゃんは半年間これに見慣れていたから
     
やっと実年令の役。でも私には中学生にしか見えない。「このミステリーがすごい!大賞」の割りに、第4話は幻想的な話。お父さんは若いころに特撮ヒーローをやっていてお母さんはヒロインだった。敵役はお父さんが尊敬する先輩だが撮影現場の火災事故で命を落とす。その先輩の亡霊みたいなのが出てきて里奈ちゃんを誘拐し、お父さんが救出に向かう話。今回の見所はなんといっても
     
里奈ちゃんのSM緊縛プレイ。縄太っ! プレイしてないから。縛られているだけだから。話はけっこう泣ける話、里奈ちゃんよかったね。だが、繰り返して言う。これ、ミステリじゃないから*3

*1:そもそもストーリーがわかるようなレポをいつも書いてないよね

*2:もう忘れたのかよ

*3:しつこい