もう3月も中旬だっつうの。
オーパーツは知ってるね。OOPARTS:Out-Of-Place Artifacts、その時代にそんなものが作られていたはずがないという工芸品。水晶のドクロが有名だよね。あれは
オーパーツではなくて新しい時代のものだというのが最近わかったとか。その
オーパーツに関係した事件を調査する鑑定士の連作ミステリー。
オーパーツについての蘊蓄は楽しいし、凝ったミステリーを作ろうという作者の心意気は感じるのだが、いかんせん小説として上手じゃない。それぞれもっと面白くできると思うのにキャラ立ちの方に力が入りすぎて。今後に期待だ。
罠にかかって弁護士資格を剥奪され、
なんでも屋を営む主人公。凄腕の相棒と一緒にとんでもない依頼を知略を巡らせて解決する。依頼者のトラブルを解決するパターンと、主人公がみずから行動を起こすパターンがあり、後者は
スパイ大作戦のライト版。楽しく読めるが、後半はちょっと軽かったな。次作に期待する。
以前に読んだ「この世でいちばん大事なカネの話」と内容が半分くらい同じだが、前作と合わせて自分探しをしている女性に読んで欲しい。筆者は運で現在のステータスになったわけではなく、10代のころからの彼女なりの戦略があってのこと。
イラストレーターになろうと思って上京したが、自分に絵の才能が無いのに気づく。それでも諦めないで予備校に行って(成績が最下位)
美大に入る。
美大はすごい才能が集まっているので高校で一番とか町で一番の自称天才は自分が凡人だったのに気づかされ落ち込むそうだ。筆者は予備校で最下位だったのでへっちゃら。卒業をして自分の画力では就職先が無いのを知っているので競争がもっとも少ない、てか女性ではオンリーワンに等しいエロ本のイラストの仕事を得る。そこでも力不足を痛感して、挿絵に文を書いてごまかす。それが好評で現在の筆者のスタイルになる。筆者が10代からずっと変わらないポリシーが「自立できるだけのお金を稼ぐこと」。自分探しをしている若者はまずは金を稼ごう。
哲学、なかでも論理学の大家の筆者だが、論理的な文章を書けなければ、主張が明確に伝わる文章を書けなければすべては無駄と、国語の本を書いた。よくある
文章読本とは違った趣の国語の本。筆者が指摘する途中で論点がずれるダメな文章、これを意図的に使って読み手を騙す記事がけっこうあるよね。その対策のためにも役に立つかも。
精神医学の大家とホラー作家の対談集。これで3作目か。前作の感想でも書いたが作家の
平山夢明は何を言っても大丈夫だが、春日先生はこんなことを書いて大丈夫なのか。
ローソンで売っていて、書いているのがふつうの小説家なので小説として読み応えがある。
元恋人の家に放火をして妻と幼い子どもを死に追いやった死刑囚の女性。小学生のときにいっしょに遊んだ仲間たちがもう一度彼女の犯行を、人生を調べ直す。彼女をそこに追いやった、彼女の犯行に対して責任がある人が何人も出てくるが誰も反省はしていないし罰せられもしない。読後感は最悪だが、なぜか清涼感もある佳作。