初めてのスキー

Webかメーリングリストかで精神科医に寄せられた相談。これはすごい。たぶん2014年度M14読書大賞・ノンフィクション部門のベスト3に入るだろう。タイトルになっている相談は、弟と二人暮らしの姉から。弟が引きこもりで家の中じゅう私を追いかける。夜中に大きな音を立てて姉の睡眠を邪魔したり。弟は統合失調症ではないかという相談。その回答をここに書きたいけど書けない。この本、1つの話を30分くらいのドラマにしたら並のミステリーより面白いよ。「ああ、それはゆっくり休んで気持ちを楽にもって暮らしてください。それでも良くならなかったら医師に相談してください」などというありがちな回答はひとつも無い。やはり人間がいちばん謎だ。


社会の抜け道

社会の抜け道

12月に読んだ哲学者の人生相談の人と、社会学者の軽いノリの対談集。抜け道とは現代の閉塞感から一人一人がどうやって抜け出せるのか、もっと生き生きと暮らしていけるのか、ショッピングモール、デモ、自給自足農業などを題材に考える。ただ、ほんとに軽いノリの対談集なので、この本には人生の指針はなにもない。


貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)

貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)

度肝を抜かれた自分ではなにもしない「貴族探偵」の続編。名探偵だった父の跡をついで探偵になった娘が主人公。第一話はおきまりの吹雪の山荘の殺人事件。でも貴族探偵はいつ出てくるの? そもそもここでは事件が起こったことを貴族探偵は知らない。と思ったらおまえかい! でも貴族探偵は自分では事件を解決しない。執事とかメイドとか運転手がいないと。どうやってこの山荘まで来るのだ? って、そこからかい! これは北川景子主演で映画化希望。


ハンマーヘッド (TO文庫)

ハンマーヘッド (TO文庫)

この人の書いた「アナザーヘブン」は面白かったよ。あれは傑作だった。これも期待していいんじゃないの...つ、つまらん。いま調べたら「アナザーヘブン」は飯野文彦じゃなくて飯田譲治だった。


ほんとにいるんだね、こういう職業の人。遺族が故人との良い思い出で送り出せるように、損傷した遺体を元の顔に復元する。この人(女性)は東日本大震災後に東北地方でボランティア、完全に無報酬で300人もの復元を行なう。死後数週間経って発見された妻が、娘が、母が、緑色や真っ黒の顔だと遺族は泣くことさえできない。元の顔を見てやっと涙が出てくる。涙は故人を送り出す、そして遺族が立ち直るための第一歩だ。立派な人がいるもんだなあ。数ヶ月ボランティアをやっていたので、この人が経営する葬儀社は大赤字、たいへんな状態だったそうである。


見えざる網 (単行本)

見えざる網 (単行本)

横溝正史ミステリ大賞を受賞した新人。着想はいいんだよなあ。主人公がなにものかに命を狙われる前半の不気味さもいいんだよなあ。だが後半の展開、とくに犯人の動機に無理がありすぎだ。今後に期待。


善い戦争はあるのか、安楽死はなぜいけない、援交はOK?、死刑はいけないのか、数々の疑問に応用倫理学の立場から各界の専門家が答える。けっこう前に出版されたもので、応用倫理学ではよくある題材なので目新しさがなかったよ。


絹の家  シャーロック・ホームズ

絹の家 シャーロック・ホームズ

コナン・ドイル財団によって、シャーロック・ホームズの続編として初めて認可された小説だそうだ。つまりシャーロック・ホームズの物語は60編ではなくて61編。長編も4つではなくてこれを入れて5つということだ。正式に認可されたということはコナン・ドイルのテイストを徹底的に踏襲しているので、現代の尺度ではフェアな本格推理小説ではないところも引き継いでいる。謎解きよりもシャーロック・ホームズとワトソンが生きていた時代の薫りと、ホームズの冒険を楽しむ一編。


コモリと子守り

コモリと子守り

いつも変なミステリを考える作者、本作も相当に変だ。誘拐にまつわる連作集。同じ赤ちゃんが2度誘拐される。主人公は引きこもりの少年。彼を助けて事件を解決するのは同級生の少女。この事件を通して引きこもりの少年が社会との接点を持ち、たくましく成長していく...という話はこの作者は絶対に書かない。こいつはとことんダメな奴だ。微笑ましいダメさではない。読んでいていらいらするダメさなのだ。同じ赤ちゃんが2度誘拐されるという不自然さ。それが必然であることがわかる後半は唖然とする展開。


自分では気づかない、ココロの盲点

自分では気づかない、ココロの盲点

認知バイアスと呼ばれる脳のクセを、いろいろな例から説明する。心理学で習ったなあ。面白いのだが薄いよ。行間が大きいよ。帰りの電車で読破しちゃったよ。



【きょうのウェザーガールズ
初めてスキーに行ったニューニュー。

     

  友達が東京に遊びに来て、一緒にスキーをしましょうって誘ってくれた

  スキーはずっとやってみたかった(*^^*)

  やっと叶えましたねー

  場所はGARA湯沢のスキー場です!

そもそも雪を見るのも2度目だからね。下の方で歩いて登って直滑降で滑っていたんだろう。よかったね、ニューニュー。

  そのまま、経験はゼロの状態でしたが頂上から滑りました。

  ずっと転んでた、転んで雪もいっぱい食べました!

  お尻が痛かった、あざも出来たけど、とても満足でしたね。

って、おい! いきなりリフトに乗って山頂に行ったのかよ。スキーってそうやってやるものではないぞ。強引すぎるだろ、ニューニュー。よく生きて帰って来られたな。台湾人はすげえよ