安倍麻美「田舎に泊まろう」(前編)

無人駅に降り立つあさみん。このシリーズで身につけた智恵、すぐに時刻表を見る。

  麻美「あ、1時間に4本も来るんじゃん!」

あさみん、なにかが麻痺してるぞ。だが、たしかに1時間に4本は多い。私が昔、住んでいた鎌ヶ谷北総開発鉄道は朝のラッシュ時を除くと1時間に3本しかなかった。娘が4才くらいのころ、2駅先の公園まで二人で遊びに行った帰り、駅に着くと無情にも電車が出た後。

  私「ああ、行っちゃったね。あと20分、待とうね」

  娘「うん」

  (20分後)

  私「もうすぐ電車が来るよ」

  娘「うんこ」

  私「げっ、うんこ?」

  (トイレに連れて行く)

  私「ああ、行っちゃったね。あと20分、待とうね」

  娘「うん」

  (20分後)

  私「もうすぐ電車が来るよ」

  娘「ちっこ」

  私「さっきうんこしたとき一緒にすればよかったね...○| ̄L...」

  娘「したくなかったもん」

  (トイレに連れて行く)

  私「ああ、行っちゃったね。あと20分、待とうね」

  娘「うん」

  私「うんこはしたでしょ、ちっこもしたでしょ、もしゲロを吐くならいまのうちにトイレに行こうよ」

  娘「ないない」

結局、電車に乗るまで1時間。これがローカル線だ。今回のあさみんは福井えちぜん鉄道の小舟渡駅だ。この路線はJR時代に正面衝突事故を立て続けに起こして廃線。それを第3セクターが継承することになったそうだ。だいたい、このパターンはさらに赤字が膨らむのが常だが、福井えちぜん鉄道はキャピンアテンダントのお姉さんが乗車し、切符を受け取ったり、観光案内をしたり、老人の乗り降りを手伝ったりとサービスの向上に努め黒字化を果たしたそうだ。
      お姉さん1号
      お姉さん2号*1
本数は多いのだが...人が降りない。やっとお婆さんをつかまえる。まだ2時なので話だけ聞いてリリース。いつもこれが命取りになるのに。電車を待つあさみん
     
オカリナの練習に余念がない。って、うしろの方で、踏切でもなんでもないところを人が渡ってるけど。あさみん、あの爺さんを捕捉するのだ! ああ、行っちゃった。あさみんが吹いているのは新曲だが、下手すぎてなんの曲かわからないよ。
そのまま夕方の6時。夕方と行っても真っ暗なんだけど。オカリナの練習はずいぶんできたけど、誰も降りてこない。本末転倒もいいとこだ。帰宅ラッシュの時間じゃないのか。やっぱりさっきの婆さんを縛り上げて...
     
昼間からずっとホームにいるあさみんを運転手が心配して声をかける。

  「乗るなら乗った方がいいですよ。あんまり遅いとクマやイノシシが出てきますよ」

さすがサービス満点の福井えちぜん鉄道。こういうサービスもある。って、違うだろ。つぎの列車でも降りる人なし。しかたないのでショバを変えることにしたあさみん。列車に乗ってつぎの駅に行く。おおおい、それは反則だろう。でも隣の駅も無人駅だからいいのか。賢いぞ、あさみん
     
なんの解決にもなってない...○| ̄L...むしろ、さっきの駅より暗い。「闇」って。気温は14度らしい。だいじょうぶ、あさみんは道産子だからマイナス40度まで耐えられる身体なのだ*2。8時28分、誰も降りない。さっきと違う運転手が心配して声をかける。この駅はこの時間になると誰も降りないらしい。あさみん、運転手にお泊まり交渉。もうなりふり構わずだ。だが夜勤らしい。つぎの駅なら降りる人がいるとのことで移動する。しかし、この放送を見たこの2駅の近隣住民、「なしてオラの家にくれなかったっぺ」と悔しがるだろう。なにしろ、あさみんがお風呂に入ってくれるのだ。
となりの発坂駅、8時55分。事態はどんどん悪化する。やっとおばさんが降りるが、あさみんと口をきくことさえ拒否。怪しいもんな。その後も降りる人はいるのにすべて交渉決裂。なんでだよ、あさみんが泊まるんだぞ。君の家のお風呂にあさみんが入るんだぞ。君の布団にあさみんが入ってくるんだぞ*3
     
9時30分。人のいないホーム。あさみん、オカリナを吹く元気もなし...
(つづく)

*1:あさみんはどうしたんだよ

*2:違うだろ

*3:それはねえだろ