ウルトラマンの好きな君に

主人公は異星人。悪者を追跡して地球に来るが、どちらもエネルギー体で地球上では実態がない。人間に憑依した悪者を探すために主人公もまた人間に憑依する。悪者はエネルギーを集めるために怪物(人間から見ると)に変形してあばれる。主人公も巨人に変形して戦う。ここまで読めばわかるだろう。これはウルトラマンの話しなのだ。もちろんウルトラマンそのものではないよ。ただ、どうやったら巨大化できるか、どうやって手から光線を出して攻撃するのか、それが徹底的に科学的リアリズムを追求して書かれている。そう、この物語はリアル・ウルトラマンなのだ。だから、空想科学読本で指摘されたように身長が40mという無茶はしない。5mくらいである。だが、主人公が飛び上がるときの声が「ジュワッ」だからウルトラマンを意識して書かれているのは言うまでもない。物語のラスト、主人公の親友を被爆させるなよって。