検証・これが実写版の台本だ!−act42(その6)

act42ではルナが叫んでいるところを進悟に見られる。あわてたルナは人ルナに変身し逃げていく。進悟は「見なかったことにしよう」と言って暗い部屋でTVゲームをしている。アバンで人ルナが「私も気をつけなくっちゃ」と言っているのが伏線になっているわけだ。この一連のシーンはけっこうわからない点が多い。

     ・進悟は猫ルナが人ルナに変身するところを見たのか?

     ・そもそも、ぬいぐるみと変なガキの関係がわかったのか?

     ・暗い部屋で一人、TVゲームをしているシーンの意味は?

浴槽のふちでルナが叫ぶ。そこに進悟が入ってくる。話しているのを見られた猫ルナは浴槽の陰で人ルナに変身する。これは叫んでいたのがぬいぐるみではなくて人間だったと進悟にアピールするためだと思った。その後、自分がうさぎの友達でたまたま遊びに来ていたと言い訳をして2階に上がっていく。ぬいぐるみがしゃべっているより、知らない女の子が浴室にいる方がまだ自然だ。いちおう、ルナのうまい機転だと言える。だが、そのあとで進悟が「見なかったことにしよう」と言っているので必ずしも成功したとは言えないようだ。
私が気になったのは後から出てくる進悟のシーンだった。暗い部屋で一人でTVゲームをしている。あの姿がひどく気になった。もしや進悟の精神に壊滅的なダメージがあったのではないかと。猫ルナと人ルナは進悟にとって到底受け入れられるものではなく、これを見なかったことにしたいばかりに進悟は外界のあらゆる刺激を絶って自分の世界に閉じこもってしまったのではないか。暗い部屋でボウっと浮かぶ進悟の姿がそれを表わしているのではないかと。
さて、台本を見てみよう。台本では事態はもっと悪い。ぬいぐるみの猫ルナが進悟の前に飛び出し進悟に向かって急を告げている。しかも進悟の前で猫ルナから人ルナに変身している。機転どころではない。モロに正体がバレている。走るぬいぐるみ、しゃべるぬいぐるみ、しかもそのぬいぐるみが目の前でガキに変身する。放送にはない、進悟とルナの沈黙が楽しい。これがあるのでつぎの「おしおきよ」が生きてくる。ところで、この部分の台本の改編の理由はわかりますね。そう、CGの予算がなかったのだ。なお、この間、うさぎは浴槽に沈んだままであることを付け加えておこう。
(つづく)