検証・これが実写版の台本だ!−act23(その4)

どんどん前に戻っている台本の検証。きょうは病室で点滴を受ける美奈子。

  アルテミスが点滴をする美奈子の腕をなめる

なんだよ、アルテミス。これではまるで

  おまえは猫か!

猫だよ。アルテミスは猫なんだよ。どうも、ルナとアルテミスについて台本上の設定と、映像から受ける視聴者の印象に差があるように思う。

  台本・・・ぬいぐるみ素材でできた猫

  映像・・・猫の形をしたぬいぐるみ

act27で猫ルナが人ルナになったとき、犬に怯えたり、ボールを追いかけたり、それまでまったく放送に登場しなかったルナの猫属性が急に発現した。猫の形態のときは猫でなく、人の形態になると猫になるルナ。だがそうではないのだ。ルナもアルテミスも猫なのだ。少なくとも台本上は。小林靖子ワールドの中では。ただ、序盤でCGの予算がなくなってぬいぐるみをヒョコヒョコ動かすものだから、われわれ視聴者はどうしてもルナとアルテミスを猫とは思えなかったのだ。思い当たるシーンがある。act46で、「マーズはどこ行ったんだ」と愚痴を言いながら、床に落ちた卵をふくアルテミス。そこを子どもに見られてしまう。そのときの子どものセリフが

  「しゃべれるの?」

よく考えたら、ぬいぐるみがしゃべることより、ぬいぐるみが床をふく方が驚きなのではないか?

  「動けるの?」

小林靖子の頭の中では、ルナとアルテミスは猫そのもののうごきで画面の中を軽快に動き回っていたのではないだろうか?
(つづく)