うさぎの役割

アニメと実写でキャラが違うのが眼鏡っ子の亜美、余命半年のアイドル美奈子。前半クールで後半は激情型のレイ。惚れっぽくないまこと。実は物語の形成にいちばん影響が大きいのが、うさぎの人物設定なのだ。
アニメでは聖母のように癒しと許しと祝福を与え、大きな愛で回りを包み込んできた。だからほかの4人にもうさぎはリーダーであり神である。まさにプリンセス。
ところがどっこい、実写はただの中学生。人間関係の潤滑にまったく役に立ってない。
役に立ったのは

   act2  亜美と友達になる
   act4  レイの頑なな心を溶かす(実は、その前の亜美の会話があってこそだが)
   act6  まことと友達になる
   act23 レイに仲間の大切さを気付かせる(むしろレイが賢いのだが)
   act30 あくまでもミオを信じる(無駄な努力だったけどね)

くらいであろう。その反面、

   act5  倒れた亜美にとどめを差す(「そういうのが一番友達っぽくない」)
   act16 亜美となるの微妙な関係に決定的なダメージを与える
   act17 戦闘拒否。亜美の不信→ダーキュリー化のはじまり

亜美も気の毒だ。
さらに実写版の裏ストーリーである美奈子の物語にはまったく参加してない。このうさぎの設定に不満のアニメファンも少なくなかっただろう。
でも...だから私は実写版が面白かったのだ。
うさぎが主役から狂言回しの役に降りることによって、亜美の物語、レイと美奈子の物語が進行する。その回りを衛と四天王の苦悩の物語が深く静かに流れる。
これも、うさぎが無人格の主役ならばこそだ。