セーラーマーキュリー「水野亜美の宇宙」(その5)

以上、4日間に渡って水野亜美セーラーマーキュリーを振り返ってみた。実写版オリジナルの設定はマイナス属性だったため、成長物語が終結したact16以降は特徴の無いキャラになってしまった。そのためダーキュリーというスペシャルイベントが終わったact28以降は出番が少なかったのは淋しい限りである。他の4人は、男でも物語が成立するのだが、亜美は少女でなければ成立しない、まさにセーラーピンクである。
小林靖子は雑誌のインタビューで「自己主張をしない亜美がいちばん難しいキャラだった」と書いている。この人はやはり男を描くのを得意とする脚本家なのだろう。単独回のストーリーが難しいなら、亜美うさ、亜美レイ、亜美まこのコンビで活躍する様を見たかった。それには30分の放送時間は短すぎるのだろう。また亜美と美奈子はどういう関係を築くのか不明のまま終わってしまったのも残念である。そもそもうさぎやレイやまことを呼び捨てにしていた美奈子は、亜美を何と呼ぶのだろう。やはり「亜美ちゃん」だろうか。
で、最初に戻って実写版のパート分けである。

     第1部act01〜act16・・・亜美編

     第2部act17〜act28・・・プリンセス編

     第3部act29〜act38・・・前世編

     第4部act39〜act47・・・美奈子編

     第5部act48〜act49・・・終章

第2部はダーキュリー編でもいいのだが、原作のテーマに沿ってプリンセス編にした。act17での偽プリンセスであるセーラーヴィーナスの参入から、本物のプリンセスの登場までのプリンセスの物語である。act29、30はどっちに付けても良かった。act31で初めて美奈子以外のメンバーであるまことの口から前世が語られてから、前世の亡霊とも言えるプリンセスセーラームーンが出現するまでが第3部の前世編。そのわりに前世はどうだったかがわからないが。act39で美奈子が芸能人を辞める決心をし、いよいよ余命が切羽詰まったものになってから、act47の死までが第4部の美奈子編。メタリア編でもいいが、第1部の亜美編と対にした。この二人は小林靖子がこだわったキャラである。そして美奈子が死んだ後の2回が最終回となる。
これが私が考えたシリーズの章立てだ。それがどうしたと言われると困るのだが。