春のビデオまつり「ハングマン」「マイ・ブックショップ」

先週末から花粉の量が減ったのではないかな。咳が治まったよ。

ハングマン
【1,700円】私はよく知らないのだが、ハングマンって単語当てゲームなのかな。単語の一文字を書いて、首つり人形のパーツを一つ描く。首つりが完成する前に単語を当てるとか。そのハングマンに見立てた連続殺人事件が発生する。首つり死体が発見され、胸と壁に一文字が書かれている。前回、この監督はミステリー映画の経験があるのかと書いた作品があったが、こっちはスピーディーな展開と、謎解きとアクションのバランスの良さで最後まで飽きない名作。ラストで完成する単語が犯人を示しているがそれが判明するのが別のアプローチで犯人に行き着いた後。途中で単語の意味を考えないと見立て殺人の意味がないような。

降霊会 ―血塗られた女子寮―
【800円】降霊会と言ってもこっくりさん程度の物だが、女子寮で行なわれた降霊会がもとで変死事件が続く。本当に悪霊を呼び出してしまったのか...ホラーに見せかけたサイコ物であるのは早い段階で気がつく。最後に明かされる主人公(犯人ではないよ)がこの女子寮に入った目的がサプライズになっている。これ、もっとちゃんと作れば佳作になったプロットなのに、全体的に雑な作りなのが惜しい。原題は「Seance」で辞書で調べたら降霊会だって。「霊+呼ぶ+儀式」という複合語ではなくて一つの単語があるのにびっくり。ということは西洋社会では昔からあったことなんだね。

マイ・ブックショップ
【1,700円】日本だと私が生まれたころ。第二次世界大戦で夫を失った女性が田舎町で本屋を開くイギリス映画。私が好きなお仕事成功物語かと思ったら一筋縄ではいかない。よそ者に冷たい住人、この場所と建物を狙っていた町の実力者と障害だらけ。やたら生意気だが仕事はできる小学生がアルバイトになり、本屋は軌道に乗っていく。この時代の田舎町、テレビも映画もないので読書って唯一の娯楽なんだよね。だが終盤になると彼女を廃業に追い込もうとする実力者の数々の打ち手が効き始め、どんどん窮地に追い込まれていく。残り10分でどうやって逆転するのかと思ったらバッドエンドかーい! それでも最後まで見ると、この映画の本当のテーマがわかる。

ヴィジット 消された過去
【1,500円】交通事故で瀕死の重傷を負った主人公、記憶喪失になり、歩行も困難。ボーイフレンドが彼女の持ち物を探し実家の連絡先を見つける。連絡を取りしばらくそこで暮らすことになる。そこは人里離れたところに建つ大邸宅で、両親、兄、妹、執事がいるが彼女はまったく思い出せない。何日か住むと、この家の人はなにかおかしい。そもそも自分はなぜ家出したのか...記憶喪失の主人公と見覚えがない家族、この設定の作品はいくつもあった。ミステリーかと思ったら終盤で胸糞映画になる。ただ、過去に見た胸糞映画ほどではなく、主人公は最後まで生き残り、復讐もする。それでもある理由で別のタイプの胸糞映画、彼女はこれからどうやって生きていくのだろう。見ない方が良かった。