春のビデオまつり特別編「キネマの神様」

AmazonプライムのGW100円セールにこれが入っていたよ。

キネマの神様
【1,200円】 令和編(前編)→昭和編→令和編(後編)の3パートになっている。令和編の主役が沢田研二宮本信子、昭和編の主役が菅田将暉永野芽郁、それぞれが同一人物。北川景子は昭和編の脇役。なのに映画のラストシーン(令和編(後編)の最後)にも重要な役回りで出てくるので映画が終わると北川景子フェチならずとも、永野芽郁宮本信子より北川景子の印象が強い。これ、前にもあったぞ。人呼んで*1

 間宮兄弟エフェクト

間宮兄弟は話の流れ上「運が良かった」ってことだが、本作での北川景子は昭和編の脇役のはずなのにやたら出番が多い。ほとんどのシーンで菅田将暉永野芽郁の隣にスタンドのように貼り付いている。これは運ではなく山田洋次監督が映画の要所要所と最後を締める役として北川景子最恵国待遇で迎えたということではないだろうか。それに応える演技ができたかは贔屓の引き倒しの私にはよくわからない。ただ永野芽郁の明るく朗らかな少女は彼女の十八番だったのに対し、北川景子は過去にありそうでなかった役だったのでちょっと固かったかな。

ご存じのようにこの映画は令和編の主役が志村けんさんで作られていた。このオヤジは酒とギャンブルがやめられないダメ老人である。そこまでは百歩譲るとして金にもだらしない。年金を使い切って怪しい所から借金をして奥さんや娘が返済をしている。この役を演じるのに必要なことが「ダメな男だがどこか憎めない」だろう。その点で沢田研二は正しいキャスティングだったのだろうか? もしファンの人が読んでいたら申し訳ないが私の年代では彼に対する失望感が大きい。もう一世代下ではあるが郷ひろみ野口五郎、故西城秀樹の変わらなさ。あるいは沢田研二より年上なのに北大路欣也西田敏行堺正章の正しい老け方。それに比べて沢田研二は時の過ぎゆくままにこの身を任せてしまった。もちろん前編の主人公が醜い老人であるからこそ後編が輝くという点はあると思うが別の俳優で見てみたかった。ただ、これは沢田研二本人の努力か監督の演出かはわからないが、主人公の表情や口ぶりを志村けんに寄せているのが泣ける。さらに終盤で主人公にめでたいことがあり仲間がパーティーをする。最後に一曲ということで沢田研二が歌う東村山音頭は感涙。あと志尊淳、エンドロールを見るまでわからなかったよ。

*1:私しか呼んでないが