真冬の映画まつり「前田建設ファンタジー営業部」

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なにこれ? 名作じゃん。ほかに見たい作品が無くて消去法で行ったのだが大正解だったよ。これは実話で、それをもとにした原作があって、それをおバカの方向に脚色したのがこの映画。映画館でこれほど笑ったのは初めてだったししかも泣ける。とくに土木工学科出身の私としては胸熱のツボがいくつもあるんだよなあ。広報部で新しい企画が起ち上がる。マジンガーZの格納庫、あのプールが割れて中からマジンガーZがせり上がってくるやつね。あれの設計図を作って工程表を作って積算をする。それが作られることはないのでまったく役に立たない。だが建設会社の立場から空想をいっさい挟まず正確に。言い出しっぺがおぎやはぎの小木が演じるほぼ狂人の上司。はじめは懐疑的だった4人の部員も彼の熱に、というか彼の狂気に一人また一人絡め取られ没頭していく。最後までやる気がなかった若手の二人も、岸井ゆきの演じる女性部員は掘削(縦に50mの穴を掘るのが行程と費用の半分以上を占める)がツボにハマり、高杉真宙演じる男性部員はジャッキアップ(アニメではわずか10秒で持ち上がっている)をなんとか解決しようとする部外の専門家の熱が伝染し全員が一丸となって進んでいく。というかキ○ガイの集団になっていく...私は30才のときに転職するまでは橋梁を作る会社で働いていたので本州四国連絡橋以降は大きなプロジェクトがないのを寂しく思っていた。もちろん効率化や生産性は大事だが、それだけだと技術者の夢と心はしぼんでいく。建設会社だけでなくほかの業種でもこういう空想プロジェクトを動かした方がいいんじゃないのか。そこから生まれるものは少なくないと思う。

ところで岸井ゆきの

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この人、「ブサカワ」のかなりブサ寄りの人なんだが表情が豊かで本当にいい女優さんだよね。芳根京子永野芽郁を初めてスクリーンで見たときと同じ感動があった。北川景子は変な顔をしても美人でしょ。その点、岸井ゆきの多彩な表情の一環として可愛い表情もできる。それは強い。