年末映画まつり「屍人荘の殺人」「私は光をにぎっている」

観たかった映画がみんな昨日で終わってしまった...しかたないのでこの2本。

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映画.comの感想を見ると酷評の嵐。原作を知らないで観に行った人が「まさかの○○○映画」「○○○映画だと知ってたら行かなかった」。○○○が出てくることを好意的に受け止めている人がいない(泣) 原作は昨年のこのミス1位で話題になった。最近のこのミス1位は小説としての完成度よりアイデアの秀逸さで選ばれる傾向がある。今年の1位もそうなんだよね。もちろん「小説としての良さは別のランキングに任せて、うちはアイデア勝負で行くよ」という方針ならそれも良し。この小説としての完成度が高くない原作は、脚本の作り方次第で原作を超えた映画を作ることができる。そこを期待して観に行ったのだが、良くも悪くも原作に忠実だった...メイントリックを生かすにはこの人のこの人への愛情の強さをもっと強調しないと。映画ならそこを足せると思ったんだが。あとこの映画を酷評しているのが中村倫也のファン。ポスターを見るとこの3人が主役のように見えるが、主役は浜辺美波ちゃん、そして神木隆之介くんだから。その点ではオレ得な映画。浜辺美波ちゃんのファンは、クライマックスが地味だろうが(ミステリーの宿命)、○○○が出てこようが行くべし。少女から大人になろうとしている美波ちゃん、もうCGかと思うほど綺麗だよ。予告編にもあるが「この死体を運んでくれたらキスをさせてあげる」と2回も言われたのにキスをさせてもらえないまま終わっちゃった隆之介。

 

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主役は松本穂香。世界の片隅、みをつくし、なぜか北川景子が特番で演じた役をやる松本穂香。悔しいことに役のイメージには松本穂香のが近い。これといった特技も、やりたいこともない主人公。早くに両親と生き別れ育ての親である祖母の入院を機に、都会に出て働くことになった。父の知り合いの銭湯の2階に住んで職探しをするが、他人とのコミュニケーションが苦手、すぐに辞めてしまう。おじさんが風呂場の掃除をしているのを見て、これならできそうと銭湯の仕事を手伝うことになる。映画館の映写室に住んでいる映画監督をめざす青年、独立をめざすラーメン屋の青年、なぜか知り合いになったパキスタン人、主人公の世界が少しずつ広がっていく。だが彼女の世界は再開発の波に飲み込まれていく...こういう女の人、運良く銭湯に活路を見出したから良かったものの、一歩間違うと貧困に陥ったり、悪い男に騙されたりするんだろうな。