真冬のビデオまつり「スカイライン-奪還-」「桜ノ雨」

     f:id:M14:20190217170703j:plain 300円

シネマカリテだかで予告編を見た。女の人が台に縛られて、上から蜘蛛が落ちてくる。その人のいちばん嫌いな物で行う拷問みたいだ。私だったら納豆が落ちてくるとか、若槻千夏が落ちてくるとか*1Amazonで無料になったので見てみたが、拷問のシーンはそんなになくて、この拷問にはある目的があったという、スプラッターだと思ったらSF映画だった。ただ、その目的のその先がよくわからないのと、クライマックスの盛り上がりに欠けるので300円。

 

     f:id:M14:20190217170704j:plain 1,800円

一作目はTOHOシネマズで見た。VOP形式のホラー映画のフォーマットを取った地球侵略もののSF映画。活動範囲の狭い「クローバーフィールド」って感じだった。二作目はガラッと変わってスペクタクルになってんじゃん。この映画、5、6本のSF映画のいいとこ取りをした、まさに地球侵略映画の幕の内弁当。なので誰が見ても一箇所はツボにはまる部分があるのではないか。ただし全体的に低予算のB級映画なので、「スターウォーズ」や「スタートレック」と比べちゃダメだよ。

 

     f:id:M14:20190217170705j:plain 1,500円

知っている役者は合唱部の顧問の先生の田畑智子だけという。そういう映画は何百人のオーディションから選ばれた役にぴったりで演技が恐ろしく上手い子が主役をやるものだが、この映画はそういう経緯で作られたのではないみたい。彼女のファンの人には申し訳ないが、かなり残念だった。4年前の映画なのでいまはもっと上達していると思うよ。この作品、最後の30分だけの短編映画にすれば佳作になったのではないか。とにかく主人公がずっとウジウジしていて何をしたいのかさっぱりわからない。そういう主人公のモヤモヤ感がテーマになっているのはわかる。映画「響」の感想で書いたが、無口な人を演じるのと無口なのは違う。この映画も上映開始直後のウジウジと1時間後のウジウジとクライマックス直前のウジウジに変化がないと最後のカタストロフが生きないんだよなあ。こういう役は堀北真希がうまかった。真希、カムバーック! そこまでだと1,000円の映画だが、クライマックスに合唱や合奏を持ってくると一定の満足感がある映画になる。その点で1,200円。あと先生役の田畑智子がイイ。ここ2、3年で見た合唱合奏映画で「青空エール」の上野樹里先生、「うちびるに歌を」の新垣結衣先生、「ハルチカ」の小出恵介先生、みんな完璧主義者のロボットみたいな先生だった。最後の最後で生徒たちは先生にとんでもない裏切りをする。先生はふっと笑ってそれを受け入れる。あの状況では受け入れざるを得ないのだが、この先生の根っこには「部活動はあくまでも生徒たちのもの。先生はそれを手伝っているに過ぎない」という潔さに裏打ちされた優しさがあると思う。そう考えたら部活動の顧問や監督が生徒を殴って良いわけがないし、そのために生徒が自殺する道理がない。その田畑先生に1,500円。 

*1:若槻千夏が落ちてきたらメンタルだけでなくフィジカルにつらい