年末ビデオまつり「地獄の警備員」「キャッシュトラック」

これが見られるとはなあ。

【1,700円】 黒沢清監督のメジャー4作目くらい、1992年の作品。「CURE」の5年前だ。主演がたぶん映画初出演の松重豊で、このときは29才。ヒロインが久野真紀子さん、知らないなあ。過去に殺人を犯した元力士が警備員として配属されるが、この男、ここでも平気で人をどんどん殺していく。グロいシーンや怖いシーンは少ないが、殺人になんの躊躇もなく、動機も心情もわからない人と対峙する怖さ。後の「CURE」に通じる記念碑的作品。ただ、映像や音楽がいかにしても古いので200円マイナス。

【1,700円】 主役はジェディ・フォスターが老看護師役で出演。最初に見たときこの人もうこんな年だっけと思ったが、あえて実年齢以上の役を演じているんだね。メイクはもちろんだが、小股でやや前屈みで歩くと老けて見えるのか。名前はホテルだが実際は病院。それも犯罪者専門の会員制の病院で、警察に撃たれたり抗争で大けがをした犯罪者が逃げ込んでくる。運営するのは主人公とガードマンの2人だけ。それでなんで病院が成り立つかというと、これは近未来の話で、診察や手術はコンピューター制御の機械で直せる。ストーリーそのものは近未来である必要はないのだが、病院のスタッフが2人だけであることが物語の展開に必要だったんだね。SFとかホラーの設定って、ある状況を作り出したり、そこに至る説明を省略できる効力があるようね。ラストはもっと盛り上げることができたんじゃないかなという点でちょっとマイナス。

【500円】 会社の研修旅行で田舎のロッジに滞在する6人の若者と上司。だがそのロッジは過去に殺人事件が起こった曰く付きの建物だった...まずこの6人中、3人がクズなので見ていてイライラする。クズでない一人が研修1日目の朝から姿が見えないのに、夜になって「探しに行かなくていいの?」と主人公が提案。それ遅すぎるだろう。基本プロットは悪くないのに細かいところで残念だらけな作品。

【1,900円】 劇場公開日が今年の10月8日。わずか2ヶ月でAmazonビデオに会員無料で入るなんて贅沢すぎる。しかも主演はジェイソン・ステイサム、監督はガイ・リッチー。この映画、いままでのステイサム作品とは違って、ただのアクション映画ではない。全体が4部構成になっていて、主人公が現金輸送専門の警備会社に入るのが第1部。強盗に襲われたら会社に連絡して自分の身を守るのがルールだが、この新入りは強盗を全員射殺してしまう。彼は何者でなぜ警備会社に入ったかを時間を遡って見せるのが第2部。主人公が復讐しようとしてる相手の物語が第3部。そして双方が相まみえるのが第4部。従来の作品ほどのドンパチは無く、ステイサムもそれほどの超人では無く、ストーリーの面白さで観客を引っ張る作品。でも主人公の仲間もクライマックスで殺されちゃったのは後味が悪い。ステイサムもガイ・リッチの健在だ。