炎の16番勝負−7本目「コーヒーが冷めないうちに」8本目「スカイスクレイバー」9本目「死霊館のシスター」

     
「響」とどっちにしようか迷ってこっち。ある喫茶店のある席に座ってコーヒーを飲むと過去でも未来でも自分が行きたい時間に行けて会いたい人に会うことができる。ただし相手もこの喫茶店に来たことがあること、そこで何をしても現在は変わらないこと、コーヒーが冷める前にコーヒーを飲み干して現在に戻ってこないと永遠に戻れなくなるのが制限。現在は変わらないので、用途としてはそのときに聞けなかった相手の気持ちを聞いて現在に生かすことだけだ。ではなぜいま相手の気持ちを聞けないかというと、海外に行っている、認知症で記憶が無くなっている、死んでいる、これが物語のバリエーションになっているわけだ。こういう時間SFものは泣ける話を作りやすいんだよ。この映画も一定の満足度はあるのだが、主役の有村架純。彼女は青春ラブコメディーや主役の妹役なら十分な役者なのだが、この映画の過去に戻る脇役は波瑠、吉田羊、松重豊薬師丸ひろ子石田ゆり子の芸達者ぞろい。さらに主役は寡黙な人なので細かい演技が必要とされるのでよけいに脇役との差がめだってしまう。とくに最後のエピソードでの主人公の早くに亡くなった母親役である石田ゆり子有村架純のやり取り。石田ゆり子の神がかりな演技をまったく受け切れてない。有村架純は嫌いではないが、この映画はキツかった。彼女はムチムチしたボディを生かして深田恭子の路線をめざすべきだと思う。


     
香港の大富豪が220階建て、高さ900mのビルを建てる。そこのセキュリティのアドバイザーになったが元FBIの特殊部隊の主人公。最上階にオフィスを構える大富豪が持っているある物を奪うために悪者が火災を起こす。ビルを脱出するときにそれを持って逃げるのでそこを襲って奪うわけだ。ビルにシステムをハッキングして消火装置が動かないようにして大火災にする。ところがビルには主人公の家族がいた...家庭円満のダイハード+ハイテク版タワーリングインフェルノって感じ。この大富豪、大富豪のくせにいい奴で*1絶体絶命の主人公に協力するのが胸熱。


     
オーソドックスなホラー映画としてマニアの支持が厚い「死霊館」シリーズ。今回は外伝で1950年代のルーマニア修道院の話。修道院でシスターが自殺をするという事件があり、バチカンは調査の経験が豊富な神父と見習いのシスターを派遣する。死霊館シリーズは心霊現象の調査や解決をする夫婦が主人公で、今回は昔の話なので最初と最後にしか登場しない。この奥さんと、今回の主役の見習いのシスターがそっくり。べつにこのシスターの数十年後が奥さんというわけでもないのに、よくこれだけ似ている人を探してきたなと思ったら
     
姉妹かい! 死霊館シリーズはあまり派手なシーンがないのが特徴だが、本作は派手も派手、オカルトヒロイックファンタジーって感じ。主人公の見習いのシスターが有能すぎる。彼女を主人公にしてシリーズ物を作っちゃったりして。さあ、見たかった映画をだいたい観たぞ。いよいよ「響」かあ

*1:大富豪に対する偏見