炎の16番勝負−6本目「西北西」

ケイ(韓英恵)とアイ(山内優花)は恋人同士。この山内優花ってセーラームーンのミュージカルに出た人らしい。裸にはならないからファンの人はそこを期待して行くとがっかりするよ。ファンだったらとっくに観に行ってるか。で、この二人は女性同士のカップルなのだが、ケイがイラン人の留学生・ナイマと知り合うところから映画は始まる。もともと人付き合いが苦手なナイマ、日本に来てから初めてできた友人としてケイと仲良くなる。敬虔なムスリムであるナイマが祈るときの方角が西北西。これが映画のタイトルな。だがケイの方は友情以上のものをナイマに感じてしまう。さらにアイが突然、虫垂炎で手術をすることになり病院で待っているとアイの母親が来る。ケイという名前の恋人がいるとアイから知らされていた母親、それが女性だと知って驚く。そして発した言葉が「気持ち悪い」。アイはナイマに怒りをぶつける。ナイマはケイをただの友人としか思ってないのにアイは勘違いする。そしてナイマに「ケイを探すのにどれだけ苦労したかあなたにはわからないでしょ!」。たしかに異性の恋人を見つけるのだって大変なのに、同性の恋人を見つけるのはもっと大変だ。このあたりまでの問題提起は良かったのだが、終盤からラストがなんだかなあという感じ。風呂敷は広げっぱなし、ネタは巻きっぱなしで、最後の方はやたらイメージビデオっぽくなるB級映画にありがちな展開。ただ、話をまとめようが無いことが、そのままこのテーマの本質を表しているともいえる。だが映画の作品としてはどうなんだ?