春のビデオまつり「バクラウ」「お耳に合いましたら」

いまさらながらビデオまつりのフォーマットのまずさに気がついた。映画まつりは多くて3本なので記事の題名に映画のタイトルを全部書いている。ビデオは本数が多いので2本だけ書いている。残りはポスターの画像を見てよ、だったのだが、ビデオのタイトルをテキストで書いてないと検索ができない。ということで1行目を(ビデオのタイトル+入場料がいくらなら映画館で見るか)にする。

スリー・フロム・ヘル
【1,000円】 「マーダー・ライド・ショー」の3作目。前作のラストで警官隊に蜂の巣にされたのに驚異の生命力で生きてたと。もう悪すぎて強すぎて運が良すぎる。かといって義賊的な要素は皆無で、ただただ殺戮を繰り返すので感情移入ができない。

バクラウ 地図から消された村
【1,900円】 ブラジル産の映画。都会からは遠く離れた田舎町、それなりに秩序と平和があり幸せに暮らしているが、ある日を境につぎつぎと奇妙なことが起こり、ついに死者も出る...これ以上のあらすじを書けない。まずこの映画はホラーなのかSFなのか謀略物なのか、方向性がまったくわからないのが最初のお楽しみ。この不可解さをもっと引っ張ることもできたと思うのだが30分後くらいに全貌が明らかになる。つぎの1時間がどんどん追い詰められる村人。残りの30分でこの映画の真のテーマがわかる。壮大な「ナーメテーター」だったよ。ここが何度でも見たくなるほど爽快。この村、固定電話はなさそうなのだがみんなスマホを持っている。テレビはなさそうなのだがタブレットで動画を見ている。日本で例えると昭和後期のインフラをすっとばして平成のライフスタイルになるという。技術革新ってそういうものなんだろうね。

帝銀事件 死刑囚
【1,500円】 1964年制作のモノクロ映画。いまならお爺さん役の俳優が青年だよ。帝銀事件松本清張の小説も読んだし、テレビのドキュメンタリーも見た。この映画は新聞記者を主人公に、どちらかといえば冤罪説のストーリー。それにしても1964年にこの立場で映画を作ったのがすごい。

シャッター 写ると最期(吹替版)

シャッター 写ると最期(吹替版)

  • アナスタシヤ・ゼンコヴィッチ
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シャッター 写ると最期
【1,500円】 ロシア製のホラー映画。車で旅に出た7人の若者、事故で車が使えなくなり森の中の廃屋に行く。そこにあったポラロイドカメラは、写された人物の最期の姿が焼き付き、しかもそれはすぐに来る...1人目が死んだ時点でそのからくりがわかったのにカメラを壊すなり隠すなりしないからどんどん犠牲者が増えていく。物語の最後の方で、これがただのホラーではなく裏があったのは凝った作り。

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お耳に合いましたら。
【1,900円】 やっぱテレビ東京はすげえよ。人気俳優に頼るのではなくアイデアとシリーズ構成と脚本で勝負する。これなんか主演が伊藤万理華(サマーフィルムにのって)、同僚が井桁弘恵仮面ライダーゼロワン)で30分とはいえ12話まで作っちゃった。チェン飯(チェーン店の食い物)が好きな主人公、マーケティング部にいるのに人前で話すのが苦手。同僚のすすめで自分が好きなチェン飯をテイクアウトで食べながら紹介するPodCastを配信することになった。といっても「孤独のグルメ」みたいに食べ物が主体ではなく、主人公が遭遇する出来事が前半のドラマ、後半はPosCastでその出来事への思いが語られたり、出来事の残り半分が彼女の回想として再現される。ドラマにフォーマットがあって、買ってきたチェン飯のふたを開けて香りを吸い込むと心は店に飛んで、あたかも店で食べながら中継をしているような映像になる。そして主人公の席まで食べ物を運んでくるのが毎回違うレジェンドのDJ(吉田照美生島ヒロシ赤江珠緒など)が出てくる。

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写真はくら寿司の店員役である生島ヒロシ。最終回は意外な人が出るよ。主演の伊藤万理華、乃木坂にいたのが信じられないが、彼女のセリフはとにかく聞きやすい。あと12話が会社の出来事だったり、アパートの隣人だったり、絶交している友人だったり、恋人にふられたり、母親とのわだかまりだったり。それがPodCastで話すことによって彼女自身が見つめ直すきっかけとなっていく。第9話なんか外伝で主人公はほとんで出てこない。チェーン店ってグルメの人はバカにするだろうが、主人公が「すべての人に等しく開かれたグルメ」。たしかにどこの店のなにがおいしいと言われても、そこまで行けなかったり、予約が取れなかったり、すごい行列だったり、高かったりするもんね。