炎の28番勝負−2本目・3本目

決起集会みたいのがあって終了が17:30。その後に集合写真だがどうせ千人以上の撮影なのでいなくてもわからない。すぐに渋谷に行けばユーロスペースで上映されている映画を2本観ることができる。
     
台湾の映画。1960年代、毛沢東中華人民共和国蒋介石中華民国(台湾)が両国の間に位置する島でまだ戦争をしていたころの話。島には軍人用の慰安施設が設けられていた。ここにいる娼婦は主に懲役刑に処せられている女性が、減刑と引き換えに働いている。島には軍の精鋭部隊がいるが泳げないために慰安施設の配属になってしまった若い兵士が主人公。台湾の映画なのでこのように史実に忠実な設定になるが、これが別の隣国だと日本に強制連行された女性ってことになるんだろうな。たとえ1960年代だとしてもだ。主人公と、主人公が憧れる娼婦が少しずつ接近するのがメインストリートで、それに別の兵士と一緒に脱出して大陸に渡る女性の話や、中年の兵士に身請けしてもらい結婚の約束までしたのに女性の方が心変わりをしてしまう話などエピソードが絡む。娼婦も兵士もある種のどうにもならなさ、諦念を抱えて生きているその時代の空気がよくわかる。残念なのが主人公に明確な目的がないのが映画の背骨の弱さになっており何度か寝てしまった...


     
小説家志望だがゴーストライターで食いつなぐ青年が偶然に出会った女性と恋に落ちる。だが女性は自分のことを語るのを嫌がりいまいちはっきりしない。青年は指輪を買ってプロポーズをするが「うれしいけど、もうちょっと考えさせて」と断られてしまう。初めて一夜をともにした翌朝、女性は睡眠薬を大量に飲んで自殺未遂。なんで彼女が死のうとするのか青年はさっぱりわからない。彼女の妹から渡された小さな鍵。部屋を探すと箱が見つかり中には日記が入っていた。彼女が青年に近づいた目的、知らなかった彼女の過去を知ることになる...で、ここまでは恋愛映画なのだが、なんと二人の恋にはさらに第三の人物が絡んでいて物語は一転してクライムストーリーになる。単館上映、知っている俳優は誰もいない低予算映画で、こんなに凝ったストーリーになるとは。ただ新人の監督にありがちな、ラストのグタグタ感が残念。主演の女優は初めて見る人だが「発展途上の真木よう子」って感じ。上映後にこの女優さんと男優さんと監督のトークショーがあるのは知ってた。だが家から遠い渋谷で映画の終了が22:40だろ。トークショーが終わるのは23時を回るよな。明るくなると帰りにくいのでエンドロール中にただ一人撤収。ドアを開けたらトークショー待ちの女優さんが目の前にいたよ、うう、すまん。千葉県民にとってこの時間の渋谷はつらいんだよ。「とても素敵な映画でした」と女優さんに言ったら女優さんと男優さんが「ありがとうございました」。本当にすまん