真冬の映画まつり

きょうは年末調整と母親の関係で松戸市役所に行くので1日休みにしちまったぜい。結局、昼までに終わったので新宿でB級映画を3本観てきたよ。
     
クリント・イーストウッド監督の実話物。アムステルダムからパリに向かう列車で武装したイスラム過激派の男が無差別テロを試みる。それを取り押さえた3人の青年がいた。さらに撃たれた男性に適切な処置をして命を助け、フランス大統領から勲章を授けられたという実話。列車の中でのテロリストと青年たちの息詰まる攻防、かと思ったら1時間40分の映画で、青年たちが列車に乗り込むのが1時間20分を過ぎたあたり。そこまでは彼らの小学生時代を延々30分以上。さらに成人してからの物語がまた30分。3人のヨーロッパ旅行が20分くらい続く。それぞれ、それほど劇的な出来事が起こるわけではない。だが果たせなかった夢、なりたかった自分とは違う方向に来てしまった今、それがクライマックスに繋がっていく。そして問題児だった3人、何度も学校に呼び出されて「もういいかげんにして」と母親の嘆きが、勲章の授与式に参列して晴れがましい笑顔に繋がる。ハートウォーミングな映画だが、テロリストは一瞬で制圧してしまうのでそれを目的に見に行くとがっかりするよ。


     
内容をよく知らないで、3本目の映画までの場つなぎに観た。紹介文には「ベジタリアンの美少女が偶然肉を食べたことでカニバリストという隠された自分の本性に目覚める」と書いてあるのでエグい映画なのか? そもそもフランス映画はアメリカ映画よりエグいよな。ただこの紹介文がある意味ミスディレクションになっているのだよね。クライマックスで「とうとうやっちまった」となるが、どんでん返しがあって、さらにエピローグにまたサプライズがあって途中途中で感じた違和感がすべて解き明かされるという凝った作り。タイトルの「RAW」。よく「RAWデータ」は口にするけど「生(なま)」、つまり生肉のことか。


     
伊丹十三の「たんぽぽ」の女子高生版だな。人気ラーメン店の主人は面茹での達人だった妻を亡くし生きる希望を失い店もたたもうとしていた。その孫である主人公は親友に裏切られてクラスでいじめにもあって自殺未遂。失意の孫に祖父は秘伝のスープを飲ませる。小さいころから大好きだったおじいちゃんのラーメンだが、あらためてその奥深さに感動し自分がラーメン屋を継ぐと宣言する...原作はWebコミックらしいが、とくに障害もなくとんとん拍子にラーメン屋が再開になってしまうのが物足りないが、主人公の中村ゆかりがクソ可愛いので許す。