真冬の映画まつり「巫女っちゃけん。」

なにしろ主演が広瀬アリス、出演しているいちばんの大物俳優がリリー・フランキー、上映館が都内の山手線の内側では2館だけなので、まちがいなく低予算のB級映画なのだろう。かなりお疲れ気味なので途中で寝ちゃうかなと心配したが、あっというまの1時間半だった。最近、邦画の感想で映画らしい画面の広がりが無い、土曜ワイド劇場を映画館で観ているみたいだ、とよく書いている。ところがこの映画は遠くから社全体をとらえて画面のずっと奥で広瀬アリスが歩いていたり、参道の向こうからリリー・フランキーが歩いてきたり、わたし的にはザ・映画という感じ。これだよ、これ。こういう映画が観たかった。予告編ではドタバタのコメディーだと思っていたのだが家族の問題、それも「子は親を選べない、親も子を選べない」というダークな面がテーマになっていた。宮司の娘で、就職が決まらないのでしかたなく巫女をやっている態度の悪い娘が広瀬アリスはなかなかの適役。いつもカップラーメンやカップ焼きそばを食べているので、それもすごい勢いで食べているので心配になってしまう。ラストで広瀬アリスが舞う巫女の舞がなかなかいい。観光旅行だけではわからない日本の文化ということで海外でも受けるのでは無いだろうか。いまのところ広瀬アリスの代表作といってもよい佳作。広瀬アリスが好きな人、ついでに広瀬すずが好きな人も新宿武蔵野館にGo!