常識を疑え、でも非常識も疑え

ずっとこうだと思ってきたからそうに違いない。これが「常識を疑え」というやつだ。だがあまりにも常識というか自分の感覚と違っていることをニュースで言っていたら疑った方がいい。報道ステーションで「日本の子どもは6人に1人が貧困なんです。これは格差が広がっているということでアベノミクスの失敗なんです」と解説者が言っていた。こういう情報を垂れ流すから政府が文句をつけるのだ。それに対して「報道の自由への弾圧だ」、「言論の自由が脅かされている」と騒ぐ。おまえらは何なんだ。上の6人に1人だが、こういう計算になってしまう理由を知らないで言っているなら解説者の資格なし。わかっていて隠しているなら悪質。30年前ならともかく、ネットで簡単にソースは探せるので嘘はすぐにバレしてしまう。それに気がつかないのだろうか。
ニュースで言っているが感覚的に「?」と思うことの例をあげると

  ・日本の貯蓄率は中韓より低い

  ・日本の子どもは6人に1人が貧困

  ・日本の報道の自由度は韓国より下

1番目はこの日の記事に書いた*1。2番目は右上の図を見て欲しい。はい、星の王子様の帽子(象を飲み込んだヘビな)です。貧困の定義だが、一番の金持ちと一番の貧乏の中央値、それと一番の貧乏の真ん中より下が貧困と定義されている。つまり4つのブロックに分けたときのいちばん左のブロックな。大貧民から大富豪まで薄く広く広がっている分布だと貧困と定義されるのは帽子のつばの部分になる。ところが日本のように極端な金持ちも極端な貧乏も少なくて中間層がわんさかいると帽子の頭の部分に貧困の境目が来てしまう。この資料だと*2、日本が16%で120位、ドイツが15.5%で123位、イギリスが16.2%で119位。もっとも貧困率が低いのが台湾で1.5%、日本の白人パブに出稼ぎに来ている人が多いリトアニアが4%。この比べ方では実態がわからないのはこの順位を見ればわかるだろう。判定は横軸の長さで決めて、率は面積で算出すると、分布の形が違うものは比較できない。これ、ふつうの民間企業で調査とか分析をしている人なら誰でも知っている注意点。マスコミにはそういう人はいないのか? そんなはずはあるまい。興味がある人は「貧困率の嘘」で検索すると具体的な例をあげた解説がいろいろ出てくるから読んでみて