リベラル再勉強(前編)

ここ数日、ニュースでやたら目にした言葉はこれではないだろうか。

  菅直人「リベラル政治勢力結集のチャンス」*1

  枝野幸男「「立憲民主党」結成表明=民進分裂、リベラル系結集」*2

  辻元清美「私は現実的なリベラルの力と重要性を信じています」*3

ところで「リベラル」ってなに? 民進党はリベラルな政党ってことで良いのだろうか。私から見たリベラルな人たちの特徴を列挙すると

  反政府・反自民・反安倍 自分たちの政治活動の目的は安倍総理を倒すこと

  なんでも反対。とにかく反対。過去に自分たちが掲げた政策も自民党からあがると反対

  他人には厳しく説明しようがないことまで説明責任を求める

  同じことを自分たちがすると説明しないで逃げる

  護憲派憲法の精神や憲法を遵守することより、憲法の一言一句を守ることが重要

  憲法9条が大事。この条項がある限り、日本が戦争に巻き込まれることはなく国境線も守られる

リベラルとは政治家のクズの別称なのか。そんなはずが無い。ただネットでリベラル−正しくはリベラリズムリベラリストの定義とか解説を読んでもピンと来ない。何冊か読んだ本で私なりにまとめたことを書いてみる。代表的な政治的立場は大きく分けてつぎの4つ。

  共同体主義・・・共同体の幸福が個人の幸福。そのためには道徳・伝統・文化が大切

  功利主義・・・・最大多数の最大幸福

  自由主義・・・・個人個人が自由で平等なのが幸福

  共産主義・・・・とにかく平等、ひたすら平等なのが幸福

この政治的立場とは、どういう国にしたいか、その結果としてどうやって国民を幸せにするかのアプローチ方法だと思う。4番目はただのファンタジーだったのが20世紀に証明されてしまった。それ以外の3つはそれぞれ一理ある。3番目の自由主義には2つの分派がある。

  自由主義・・・自由と平等が大切

    リバタリアニズム・・・人は自由に生きるのが素晴らしい

    リベラリズム・・・・・人は自由に生きるのが素晴らしい。しかし平等も大事である

やっと出てきたリベラリズム。「平等」を重要視する点では共産主義に似ているがリベラリズムは「自由」が前に来る。これ以上、突っ込んだ話をするとボロが出るのでそれぞれの特徴だけ書き殴る。

  リベラリズム

    平等の実現のためには所得の再分配社会福祉制度を充実

    富の集中を防ぐために規制や政府の介入をする。景気の刺激のためには公共事業も必要

    それを実現するためには大きな政府が必要

  リバタリアニズム

    すべての不幸は国家によって引き起こされている。神の見えざる手に任せるべし

    富の再分配は個人の権利の侵害、規制や政府の介入は不要、市場原理で正しいところに落ち着く

    政府は小さければ小さいほど良い

細かい誤りは見逃してくれ。私が書きたいのは政治的立場の解説ではなく、つぎの2点だ。ここから先は私の解釈、私が考えたことなので異論は認める。どうぞ突っ込んで欲しい。

  1.現在の日本でもっともリベラリズムを具現化している政党はどこか?

  2.なぜ日本のリベラリストは偽物ばっかりなのか?

この1番目と2番目は密接に関係していると思う。最初の「日本でもっともリベラルな政党はどこか?」はどう思います? 上に書いたリベラリズムの特徴の3行だけ見れば自民党ではないですか? リベラリズムとは個人の自由を守りながらも平等な社会を実現することによって国民の幸福の総和を上げる政治姿勢のこと。「リベラリズムとは与党に反対すること」とはどの本を読んでも書いてなかった。疲れてきたので続きは明日