しつこいようだが、本当にいまの日本は貧困が多いのか?

少し前だがこんな記事*1

  母の日に、先進国で最も貧困率の高い日本のシングルマザーを思う

苦しい生活を強いられているシングルマザーがいるのはわかる。それを認めたくないわけではない。ただ、いろいろな不運が重なってつらい境遇になっている人がいるという主張と、先進国でもっとも貧困率が高いという主張はまったく異なる。仮にそうなら、私自身が納得できる記事なり資料を見たいだけなのだが、いまだにお目にかかってない。上の記事は数値とかグラフがいろいろ出ているが、率によって分母が違ったり、絶対的貧困相対的貧困を場所によって使い分けていたり、私の会社の会議で発表したら全員からボコボコにされる内容だ。貧困率については以前の記事に書いたように*2、所得の分布が違う国を比べることはできない。あのときはグラフを書くのがめんどくさくて星の王子さまのイラストになってしまったいたが、ちゃんと描くとこうだ。
     
こんな極端ではないだろうが、この2国の平均所得が同じだとして、右の方が総所得や一人あたりの所得は高いにもかかわらず貧困率は高くなる。また所得が同じでも物価が違っていたら比較できないので、たとえば月収でビッグマックを500個買えない人の割合を貧困率にするとか*3
短期的な対処療法はいろいろあるだろうが、長い目で見たときに教育の問題は大きいと思う。「不運」は避けられないが「不幸」は教育で回避できるように思う。ダメな男と結婚しない、無計画に子どもを作らない、いつでも自立できる生活の手段を持つ。そもそもダメな男を作らない社会。もちろんダメな女もだ。さらに避けられない「不運」から立ち直れるかどうかも教育の問題は大きい。
昨年、友人のお子さんに大学は無理、短大も無理、専門学校に入ろうとしたら2校を受けて2校とも落ちちゃったという子がいて面倒を見た。そのとき思ったのが中学校の学習が身についていないと高校の3年間はまったく無駄。当然、小学校の学習も他の教科は良いが分数の計算と3ケタのかけ算、割り算だけはできないと中学校で行き詰まる。幸い、その子は小学校まで戻る必要はなかったので、高校受験用の薄い問題集を与えて、これを全問正解するまで何回もおやりなさいと言った。その子、いまは専門学校の2年生で真面目に勉強をしているそうだ。
私が安倍総理に提言したいのが、大学を無償化する前に、小学校と中学校に卒業試験を設けて、それに合格しないと卒業させない。最高学年にだけ人が溜まっても困るので進級試験も必要だ。まずはここからだと思うのだがどうだろう。