今年度版の「このミステリがすごい」が発行されて順位はともかくベスト10あるいはベスト20に入っている作品は納得のラインナップ。「本の雑誌」の2015年のベスト10はあいかわらず不思議なラインナップ。だが座談会形式で推薦者がほかのメンバーを納得させるとランクインできるというものなので読んでみたいと思わない本でもランクインしている理由が理解できる。どちらも金を払って本を読んでいる読者が選んでいるのが芥川賞・直木賞・レコード大賞・紅白歌合戦と違う点。そう考えるとテレビ朝日かテレビ東京が紅白の裏番組を作ったら面白いと思うのだが。もはやどっちがおまけかわからなくなったCDではなく、楽曲配信の大手数社の順位を使いランキングを決める*1。そこからCDのおまけや複数購入特典がある曲は除き、紅白に出場していない歌手、さらに肉声で歌える歌手*2だけを出場させる。これだと家入レオ、chay、秦基博、藍井エイル、クマムシとかが入ってきて、Ακβやジャニーズ系は生歌の可否を別にしてもランク外なわけよ。あまりテレビの歌番組を見たことがない人もドラマの主題歌やCM、あるいは街でよく聞く曲をどんな人が歌っているのか見ることができるわけだ。そんな番組は見たい人が少ないかな。私は見たいけどなあ。
- 作者: 古谷経衡
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/09/16
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (6件) を見る
4日間集中講座 世界史を動かした思想家たちの格闘~ソクラテスからニーチェまで~
- 作者: 茂木誠
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2015/09/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 佐伯啓思
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/10/16
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/06/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (24件) を見る
- 作者: トーマスカスカート,小川仁志監訳,高橋璃子
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2015/11/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る
怪談実話系 妖 書き下ろし怪談文芸競作集 (文庫ダ・ヴィンチ)
- 作者: 東直子,藤野可織,岩井志麻子,工藤美代子,伊藤三巳華,立原透耶,宇佐美まこと,長島槇子,田辺青蛙,小松エメル
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 毎日新聞出版
- 発売日: 2015/05/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (13件) を見る
- 作者: 國分功一郎
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2015/03/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (44件) を見る
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/09/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
今月、中村文則と辻村深月のように狭い意味の文学の領域に足を踏み込んでいる人がいる。その対極にライトノベルとか「探偵の探偵」の作者のような人がいる。著作を読むと明らかに違いがわかる。これってなんだろうと思っていた。今月、二人の作品を読んでわかった。登場人物の説明が最小限なのだ。もちろん年令とか身分とか外見は書いてある。だが、その人がどういう行動原理でどういう思想の人かは書いてない。あくまで人物の言動を通して読者が理解するようになっている。もちろん読者の全員がまったく同じイメージを持つかはわからないが、そのイメージがあると物語中の人物に共感するなり反感を持つなりしても読者はいちいち理解する。この人なら当然そうするだろうな、こう思うはずだよと。それが物語に感情移入するということだと思う。ところが反対側にいる作者の物語は人物の説明が長い。主人公がどういう人なのか、その言動はどういう思想から出たものなのかの説明が長い。読者がイメージを作る前に説明をされるので行動原理を理解しないまま読み進めることになり、読者が物語に入っていけない。
恒例の2015年の私のベストを順不同で。