夏休み映画まつり「B級映画2本」

1本目はこれ。
     
よしもとばななの原作らしい。どこかの島で食べたかき氷がおいしくて、自分も海が見える場所でかき氷屋をやりたいと故郷に帰って店を始めたOLの話。メニューはサトウキビを煮詰めて作った糖蜜と、近所の農家の夏みかんを煮詰めて作ったみかんだけ。しかも一杯500円だからなかなか客が入らない。そうか、この店を繁盛させるまでのサクセスストーリーだな...と思ったら違った。それで困っている風でもなく、駅前でチラシを配ることもせず、まったりと店を運営している。母親の知り合いに頼まれてしばらく預かることになる少女が来る。彼女は親と不仲で祖母と暮らしていたが、家が火事になり祖母は死に、自分も顔に大きな火傷の痕。そうか、この少女が固く心を閉ざしていて、それがだんだん...と思ったら違った。ふつうに主人公と話すし、店も手伝う。とにかく大きな事件が起こることもなくまったりした時間が過ぎていく。ひさしぶりに帰った故郷が変わってしまったことを寂しく思う主人公、それはここに住んでいなかった者の自分勝手な言い草だと思う幼なじみ。そして冬になったらどうすんだよと思う私。なお、映画に出てくるかき氷(小説のモデルではなく、あくまでも映画の小道具としてのかき氷)は都内の有名店と同じレシピで、そこは冬でも満員だそうだ。
     
つぎは台湾の映画。飛び降り自殺をした少女の第一発見者、そしてそこに通りがかった二人の少年。三人は同じ高校だが顔を知っているだけで友だちではない。それが、この少女が自殺した原因を探ろうと意気投合して活動をする。それは三人の友情の始まりであり、悲劇の始まりでもあった...映像も音楽もすごくがんばってた。三人の少年と、自殺した少女、あと物語に関わってくる二人の少女もすごく良かった。良い映画を作ろうという心意気を感じた。最近に観たあれとかあれとかあれなんかよりずっと。ただ残念ながら脚本のもっと手前の原案というか基本プロットが残念だった気がする。このスタッフにもっといい原案を渡してあげればかなりの良作が生まれるんじゃないかと思った。最後は悲劇になるのだが、この6人の少年少女が別の形で会っていたら...青春は残酷だ