そもそも刑罰とは何だ?

こんな記事があった*1

  「少年犯罪は厳罰化しても減少しない」 少年法改正の動きに弁護士が「異論」

趣旨は

  ・少年犯罪の厳罰化を進める少年法改正案が国会に提出された

  ・改正案の柱は有期刑(懲役・禁錮)の上限を20年に引き上げることだ

  ・犯罪被害者団体を中心に「成人の有期刑が最長30年なのに比べて少年事件の量刑が軽すぎる」という声が出ていることが背景  だが

  ・少年法は2000年に厳罰化を意識して大きく改正された

  ・最近でも少年が集団で被害者を殺害しようとしたり、実際に殺害してしまう事件が度々発生している

  ・この現状は2000年の厳罰化によっても犯罪が減少しなかった結果ともいえるのではないか

思い切り端折ったが大きくまちがってはいないと思う。転記するのがめんどうなので、厳罰化をしても根本的な改善にはならず、児童虐待を未然に防ぐ仕組み、治療的なものも含めた専門的な対処をすることで再犯防止を重視していく仕組みが必要というのが弁護士の先生の主張だ。そんなもの一朝一夕でどうやって作るのだというのは置いといて、では被害者感情はどうするのだという問いに対しては

  被害者の感情を理解することと、そのような被害を出さないための方策とは区別しなければならないと思います。

  単に被害感情から厳罰に処するという発想では、国家が被害者に成り代わって復讐を果たすということを意味するのではないでしょうか

え? 「国家が被害者に成り代わって復讐を果たす」、刑罰の目的のすべてではないにしても、ここは外してはならないポイントじゃないのか?*2 私は自分の娘が殺されたら、そして犯人が未成年で数年で社会に出てくるようなことがあったら、全財産をはたいてゴルゴ13を雇って復讐する。連絡方法はマンガに出ていたので知っている。そのために私が死刑になってもいっこうにかまわない。ゴルゴ13の名作「私設死刑執行人」のお父さんの心境だ。裁判所に移動する数秒の隙を狙って遠くのビルの屋上からゴルゴ13が犯人を射殺する。ゴルゴ13は逃走経路を確保してあるから心配はいらないのに、お父さんは回りの警官に猟銃を突きつけ「逃げてくれ、少しでも遠くに逃げてくれ。私の私設死刑執行人」と泣きながら言うところが最後のカット。よく考えたら全財産をはたいてもゴルゴ13は雇えないからもう少し小物になるな