北川景子「A-studio」レポ(その2)

昨日のつづき。話はいきなり佳境に入る。

  鶴瓶「僕は北川景子が出た頃を見てみたいということでセーラームーンを見たんですよ」

  景子「ほんとですか(笑)」

     

  景子「ちょっと、ヤバ...アハハ...若い」

  鶴瓶「17や」

うおおお、ついに、ついにこの画像が地上波に登場したよ。北川景子の経歴で「セーラームーン」の名前が出たことはあったが写真はなかった。10年目にしてやっと。これを出すのに10年かかったのか。これを出してもびくともしないところまで北川景子が上りつめたということか。写真集のエッセイでもやたらセーラームーンの話が出てきたが*1、10年目にして懐かしい思い出としてセーラームーンを語れるようになった。それだけ北川景子が遠くまで来たということなんだろうな。それでたぶん、これを最初に語るのは北川景子でなければならないのだろう。これだけ差が開いてしまうと、ほかの4人には北川景子に対する遠慮が生じるのではないか。でももうだいじょうぶだ。沢井美優泉里香小松彩夏もこの写真をバンバン出すのだ。そして10年前の思い出を語るのだ。沢井美優泉里香も、当時は北川景子より私のが演技は上手だったと言ったれ。小松彩夏も、北川景子より私のがダンスは上手だった、私は半テンポ遅れるだけだが景子ちゃんは根本的に変だったと言ってやれ。みんなもっとセーラームーンを利用しようぜ。北川景子を利用しようよ。北川景子も田崎監督も丸山Pもそれを望んでいるはずだ。

     

  景子「そうですよ、今年で28ですから10年前です」

  鶴瓶「見たよ、これ。あのグルグル回ってんのはなんやねん。足もダーンと上げてるよ」

     

  景子「みんな言ってました。なんで変身しても自分の顔なんだと」

  景子「デビュー作がこれだったんで、芸能界ってたいへんなんだなあって」

やっぱりみんな気がついていたんだ。話はこのあと、男性は週のうち半分は中のアクターなので俳優は休みだったが自分たちは毎日撮影だったと。
神戸出身という話になってこの先のトークは関西弁になる。鶴瓶が「オーディションは芋版だったんだって」と話を振ってオーディションの話になる。オーディションの要項に「一芸を披露」があった。だがほかの応募者は自分より美少女だったり、新体操ができたり、歌が上手だったりと一芸がある子ばかりだった。この先の北川景子の一人芝居が傑作。

  景子「お母さん、ないわぁ。入るんちゃうかったわぁ」

  母 「なんかはあるやろ。家中探そぅ」

  (これやぁ思うたんが、サツマイモがあったんですね)

  母 「これで彫刻ほったらええやん。芋版ほりぃ。

     あんたの見た目はどうにもならへん。しっかりメイクして行き。

     新しい服も買うた。あとは一芸だけや」

  (当日の会場で)

  景子「あ、これちゃうとこ来たわ」

  (自分の番になって)

  景子「ちょい待って。芋版ゆうてもなに彫るか考えてへんやん」

  (一芸の時間になって、芋版を彫りますと審査員に伝える)

     

  審査「芋版? どういうこと?」

北川景子が正座してヘラヘラ笑っている動画を見たことがあるので、てっきり落語をやりながらイモを彫ったのかと思ってたのだが、ただイモを彫ったのか。

  景子「ちょっと冷めた感じの質問だったんで『あ、これ滑ったな』と思って

     『なに彫るの?』と聞かれて、考えてなかったと言ったら落ちると思って

     『言うてくれたらなんでも彫りますよ』って」

  鶴瓶「なんでも彫りますよってエライ勇気やな!」

     

  景子「みんなが『なんでもって言われてもね...どうする?』ってなっちゃって

     『せっかくなのでお名前いただいてもいいですか』」

また北川景子の一人芝居。

  審査「だいじょうぶ、時間もうなくなるよ」

     

  景子「だいじょうぶです、いまやってますんで」

  景子「で、彫って、ダーンって」(押すポーズ)

  景子「あ、どうぞ。よかったら持ち帰ってください」

     

  審査「ああ、きれいに彫れてるね」

この一人芝居は活字では伝えきれない。どこかに動画があるだろうから探して見てくれ。

     

  景子「帰りの新幹線で『ああ、もう落ちたな』。落ちたとしたらイモで落ちた。

     受かったとしたら」

  鶴瓶「イモで受かった(笑)」

このときいっしょに合格した泉里香はザルに大豆を入れて波の音、小松彩夏は卓球の素振りだったと思う。結局、この一芸で問われていたのは「なにができるか」ではなくて、その人が「どうやるか」だったのだろうな。歌や新体操だとその人が逆によくわからない。この3人はオーディションに合格したことがブレイクスルーになった。安座間美優はオーディションに関係なくnon・no、CanCamにステップアップしたと思う。このオーディションで主役を射止めたのは別の人だったところを、原作者の鶴の一声で沢井美優になったと聞く。それがなかったらこの二人の運命はどうなっていたんだろう。
(つづく)