ありが台湾

日本人ですら忘れている人がいる東北の被災地への支援。200億の義援金をくれた台湾の支援がまだ続いている*1

  台湾の仏教系慈善団体「慈済基金会」は、東日本大震災の被災者が冬を迎えるにあたり、

  石巻市名取市の3万5000世帯を対象に災害見舞金約17億円を配布するため、

  宮城に向けて昨日出発した。被災地入りは今回で7回目。

  (中略)

  東日本大震災に際しては、世界各国から義捐金を集め、

  全壊・半壊した被災者4万9000世帯に見舞金を配布してきた。

  今回の3万5000世帯分も合わせると、約40億2100万円を被災民に贈ったことになる。

40億円って。しかも自分たちで東北に乗り込んで被災者に直接手渡し。この団体、べつに豊富な資金があるわけではなくて、世界中に飛んで募金活動を行なっては日本に持ってきてくれる。おい、野田。TPPよりこの人たちへのお礼が先だろう。
お礼になってるかどうかわからんが、先日、NHKののど自慢が台湾で開催された。NHKは衛星放送で台湾でも視聴ができて、日本語世代のお年寄りは相撲中継とのど自慢を見るのがなによりの楽しみという人が少なくないらしい。その人たちにとって台湾でNHKののど自慢が開催されるのが悲願で、過去に何度も署名運動があったらしい。そんな台湾の声を無視し続けていたNHKだが、さすがに今回の震災の支援への感謝なのか、むしろ視聴者離れを気にしてか初めて台湾で開催することとなった。のど自慢を海外で行なうときの出場者は、現地の人よりもその国に住んでいる日本人が中心らしい。台湾大会では応募が1,480組と過去最高、ほとんどが台湾人。番組としてのかっこがつかないので、わざわざ日本人の出場を呼びかけていた。いいだろ、台湾人だけで。
半月くらい前に放送されたその模様。日曜日の昼ではなく、土曜日の夜に特別番組として放送された。会場に集まった人が2,000人。
     
ゲストはこの2人。
     
小林幸子観光大使になったこともあるほどの台湾通で、過去には台湾の人からの熱い要望で紅白の衣装を台湾まで持ってきたこともあるらしい。どうやって???*2 ところでNHKのスタンスはけっして親台ではない。政治的な問題を避けるために、司会者はもちろん、ゲストの二人も大震災に対する支援への感謝を述べるのはNGだったようだ。冒頭で小林幸子が「台湾の人たちは日本のことを大事に思ってくださってます。謝謝です」と述べただけだった。これは政治の問題ではなくて、人の道の問題だと思うぞ、NHKよ。
さて、25組の出場者で必死に集めた日本人は3分の1くらい。だが台湾人と日本人では競争率が違うので台湾人のレベルが怖ろしく高い。てっきり台湾語で台湾の歌を歌うのかと思ったら、全員が日本の歌。インタビューでもけっこうな数の人が日本語で話していた。

     

  「長崎は今日も雨だった

     

  「二人でお酒を」

古い、古いぞ。スナックでカラオケを聴いているようだが、みんなうまい。だが判定が厳しい。いいじゃないか、もっと合格を連発しろよ。なかにはこんな人も。
     
台湾の先住民族カップル。いつもこのかっこをしているわけではないぞ。21世紀だからな。この衣装はきれいだね。女の子もかわいい。でも歌ったのはテレサ・テンの「時の流れに身を任せ」。もっとアップテンポの歌にすればよかったのに。あと、私のお気に入りはこの人だ。

     

  「ブルー・ライト・ヨコハマ」

     

  ♪街の灯りがとてもきれいね ヨコハマ♪

これは反則だろう。私と結婚してくれ! あとはこんな人もいた。

     

  「宇宙刑事ギャパン」

なんでこんな歌を知っているんだよ。恐るべし、台湾人。優勝はこの人。

     

  (曲名を忘れた)

五木ひろしの歌。歌い方も五木ひろしを完璧に踏襲。いやはや、これはすごい。文句なしの優勝。なお、収録が終わってから、ゲストの小林幸子は会場の人のために3曲を歌ったそうである*3

  特筆すべきはゲストの小林幸子が収録終了後、TVカメラマンも去った会場で

  観客だけの為に衣装を換えて(本番は和服、収録後はドレス)3曲歌い、舞台から去る最後に

   「本番中にあんまり言うのは遠慮したけど、

    震災に際して台湾の皆さんの支援に心から感謝しています」

  と涙まじりに頭を下げたことです。

  観客も万雷の拍手で答え、私もウルッときました。

ありがとう、小林幸子。今年の紅白には出られるのか?