検証・これが実写版の台本だ!−act42(その1)

私はact42の中に疑問があった。最終回問題やうさぎ問題ほどストーリー全体に渡るようなものではないが、意図や意味がまったくわからないセリフがあるのだ。これをセリフ1としよう。
つぎに台本の画像を見て欲しい。M妖魔2との戦いの途中で、プリンセスセーラームーンが剣をハープに変えるシーンである。ここにカットされたシーンやセリフはない。それどころか、放送にはあったセリフが一つ抜けている、台本にはないのだ。このセリフがあるのとないのでは、これ以降のPムーンの行動の意図が放送と台本でまったく違ってしまう。しかも、このセリフがないためにPムーンの行動に疑問が出てくる。ここの展開を放送どおりと受け取るなら、このセリフは必須なのだ。これをセリフ2としよう。
ところが台本のうしろを読んで、私が2年半ずっと抱えていた疑問が解けた。セリフ1の疑問を解く鍵は、放送で付け加えられたセリフ2にあったのだ。ここでセリフ2を一言だけ加えることによって、ここでのPムーンの行動は台本とまったく異なる意図になる。これを考えたのが小林靖子か佐藤監督なのかはわからないが、その慧眼やいかに。ところが残念なことにセリフ1とセリフ2は矛盾をするのである。セリフ2を付け加えるならセリフ1は削除されるべきなのだ。過去に何度か紹介した台本と放送の相違点であるが、登場人物の動機を変えるというまったく新しいタイプの変更が見つかった。act42のこの部分で小林靖子がもともと書こうとしていたPムーンの姿に戦慄を覚える。そして、うさぎ問題を引き起こす原因である、セーラー戦士たちがPムーンを恐れるあまり、うさぎを戦いに巻き込まなかった理由が明らかになる。整理しよう。

     セリフ1「マーキュリー、ルナ」(台本と放送それぞれにある)

     セリフ2「亜美ちゃん!」(台本には無い)

     謎1:(台本・放送共通)Pムーンはセリフ1で二人になにを言いたかったのか?

     謎2:(セリフ2が無い台本で)M妖魔2の攻撃にさらされる危険を冒してまでPムーンがハープを奏でた理由は?

察しの良い方ならここまでのヒントで謎1と謎2は解ける。じっちゃんの名にかけて。でもコメント欄に書かないでね。削除しちゃうよ
(つづく)