検証・これが実写版の台本だ!−act46(その12)

もう間が開きすぎて覚えている人はいないと思うが、act46にはうさぎのモノローグ以外にもう一つカットされたシーンがある。それがこれだ。act45でのM妖魔3との戦いで、マーキュリーと人ルナははじき飛ばされて変身が解ける。最後に残ったジュピターはM妖魔3もろとも自爆を試みるわけだ。そしてact46。ジュピター=まことは愛野美奈子がホテルに連れて帰る。人ルナは現場をさまよっているところを月野うさぎに助けられる。ではマーキュリー=亜美はどこに行ったんだ。その正解がこれだ。ふつうに家に帰って、翌日に自分で病院に行ったわけだ。もしかすると病院で一泊したのかもしれないが。すると人ルナは置き去りにされたわけか。おそらく軽傷だった亜美とルナは自分で家に帰ることでその場は解散になった。だがルナだけは思ったよりダメージが大きく、たぶん中身の綿が少しはみ出していたとかで家に帰れなくなったところをうさぎに救助されたのだろう。
亜美は同じ病院にいる大阪なるを見舞う。まったく無反応ななるを見ての亜美の思いがカットシーンだ。水野亜美はact34以降、まったく影が薄い。メイン回はもちろん、ネフ吉を除くと他の登場人物とのからみも無い。だが、カットされたこのシーンでわかった。亜美の役目は

     幻の銀水晶の謎を視聴者に提示すること

である。プリンセスセーラームーンのハープが持っているヒーリング能力を目撃しているのは亜美とルナだけである。さらに亜美は自ら実体験をしているのだ。act42のラストのセリフ。

     うさぎ「でも、ふつうに戦ったんじゃあの妖魔倒せないね。幻の銀水晶の力がないと」

     ルナ「必要な力ではあるよ。だから存在してるんだし」

     亜美「いつかはまた使うときが来るってことかな」

プリンセスセーラームーンの力を目の当たりにして、また幻の銀水晶がメタリアと感応することを知って月野うさぎを戦いに巻き込まないようにしたレイ・まこと・亜美の3人だが、亜美だけは幻の銀水晶、それを不完全ながらも操ることができる月野うさぎの必要性を薄々感じている。だが、できるならば使わせたくない。制御不能になって大惨事が起こるかもしれない。そんな葛藤が言わせたセリフである。
(つづく)