検証・これが実写版の台本だ!−act46(その10)

M妖魔3との決戦。セーラーマーズ、マーキュリー、ジュピター3人が同時攻撃をした後のシーンである。台本を読むとかなりダイナミック。このブログで何度も指摘しているように、act46はシリーズのクライマックスなのである。台本では妖魔の力によってガラスにひびが入り、壁が崩れてマーキュリーが下敷きになり車が衝突する。だが、マーズたち3人には手も足も出ない。セーラーヴィーナスは変身ができず、メタリアを増長する危険があるセーラームーンは呼べない。そんな絶体絶命のピンチなのである。だから命を賭した愛野美奈子の変身は尊く、呼ばれてないのに現場に駆けつけた月野うさぎの使命感は熱いのだ。そして妖魔を倒した後、ほかの4人の輪に入らず一人、大阪なるを見舞った月野うさぎが悲しいのである。
だが現実はこの時点で予算が尽きている。ルナやアルテミスのCGを作る制作費さえない。ガラスにひびは入らず、マーキュリーは看板の下敷きになり、車も衝突しない。わずかに地球が浸食されるCGを出すのが精一杯。だが、そこまでの惨事というのが想像しにくい。そもそも、この回は残った伏線をぜんぶ畳んだ回なので、このあたりをじっくり描くには30分ではとうてい収まらないのだ。
(つづく)