検証・これが実写版の台本だ!−act41(その1)

やっと本論に入ったぞ。今日のテーマはこれだ。

     1.水野亜美と大阪なるはどの程度に仲がいいのか?

台本を見ると、大阪なるが登場するまでの会話がまったく違う。学校のシーンが出るのが久しぶりなので放送は長めにしたのだろうか。だが、この後に出てくる細かいカットシーンを考えると、よけいなシーンを入れる必要が無いのだが。
台本では宿題についての会話。亜美が「たいへんかも」と思うような量だったら、うさぎには貫徹することは不可能だと思うのだが。「〜かも」は亜美の口癖のようだ。放送ではオール2の月野うさぎが、水野亜美のオール5の通知票を見る。普通の人はこれだけの差があると完膚無きまでに叩きのめされるか、自分とは別次元の話として何も感じないかのどちらかだと思う。ところがうさぎは「よし、わたしもがんばろう」と言っている。こういうところは月野うさぎの素直さであり好感が持てる。きっとがんばらないと思うのだが。演じる沢井美優も同じようにプラス思考なのだろう。
放送はうさぎのセリフ「だよねー」で、クラウンに飛ぶ。台本はこの続きがあるのだ。レイに相談することに決めた亜美に、なるが声をかける。ここでのなるはact16のように亜美とうさぎの間に割り込みたいというわけではない。ボランティアって何をすればいいのか困り果てていたので、なにかアイデアがありそうな亜美にすがりついたのだ。その証拠に、後で連絡するという亜美に素直に応じ、亜美とうさぎに付いていく気はない。この後、亜美となるが携帯電話の番号を交換する。つまり、亜美となるは携帯電話の番号を交換をするほど仲がいいのだ。逆に言うと、いままではお互いの携帯電話の番号を知る必要が無いほどの仲だったとも言える。いずれにしてもact16でのうさぎをめぐる確執は無くなり、完全なクラスメートになっているわけだ。だからact46でのカットシーン、亜美がなるの病室を見舞うのも自然なのである。
このact41とact46の2つのシーン、尺に収まらなくてカットされたのだろう。だが、この2つのシーンがあるのとないのではFinalActの見方が変わってくる。幻の銀水晶で再生したうさぎのいない世界では遅刻して先生に叱られたなるが亜美を見て微笑む。そうか、この世界では亜美となるは仲がいいのか、つまりこれまで見てきたのとは違う世界なのだと視聴者はわかる。だが、この台本を読むともともとその程度には仲がいいのである。そこまで考えてact41の段階でカットした可能性も無くはないがまさかな。
ところで亜美はボランティアの相談をレイにしようと思った。つまり自分ではわからなかったのである。これが実写版の亜美の特徴だ。アニメの亜美はレイに相談するまでもなく何でも知っている天才少女なのである。だが実写版の亜美は学業の成績は良いが、ほかの知識は普通の中学生程度の「天才少女と呼ばれている秀才の少女」なのである。
(つづく)次回の更新は土曜日の夜だと思います