検証・これが実写版の台本だ!−act46(その3)

問題のシーン19、昨日は半分しか載せてなかったが、これが全体である。うさぎに銀水晶を使わせないために、うさぎ抜きで妖魔と戦っている3人。実際はヴィーナスも合流して4人だが、うさぎがそれを知る術はない。うさぎはレイたちの意図はわかっている、うさぎのためだ。だから感謝もしている、だけど素直に喜べない。いままでもずっと一緒に戦ってきたのに、なんで自分だけ蚊帳の外なのか。だがレイたちに憤りを感じてはいけない。あくまでも善意によるものなのだから。このシチュエーションはつらい。善意に基づく迷惑行為ほどたちの悪い物はない。
だがレイたちの気持ちもわかる。なにしろ地球が滅んでしまうのだ。しかも、そこに到るプロセスがいまいちはっきりしていない。プリンセスとエンディミオン、それに幻の銀水晶が関係していることがわかっているだけだ。しかも銀水晶やプリンセスセーラームーンの能力は何度と見せつけられ自分たちでどうにかできる相手ではない。
もう一つ、うさぎ=ムーン抜きで戦おうとセーラー戦士たちが思うのは実写版特有の力関係も影響している。そう、セーラー戦士たちの戦闘能力はセーラームーンも含めて全員が拮抗しているのだ。だからセーラームーンはダークキングダムとの戦いに必ずいなくてはならない存在ではない*1
私は、過去3回の最終回の考察で一貫して月野うさぎに責任がないことを主張してきた。最終回で地球を破滅させたのは幻の銀水晶に取り憑いた亡霊とも言えるプリンセス。月野うさぎの肉体に憑依しているだけで別人格であると。だが、このシーンの台本を読むとそうでもない。放送で受ける印象以上にうさぎは追いつめられている。さらに自分にはエンディミオンしかいなかったというプリンセスにシンクロしてしまっている。つまり自分には衛しかいない、そして衛の死とともに地球が滅びる最終回の必然性がここで臭わされている。そうなるとうさぎをそこまで追い込んだセーラー戦士たちも責任を免れないではないか。台本のこの部分を読むと「うさぎ問題」とは最終回、つまり地球をいったんは破滅に導いたプロセスであると結論せざるを得ない。この点は、台本のほかの部分にも出てくるので後日に考えよう。
このシーンは意図的にカットされたのだろうか。その可能性も無いではない。善意に基づく悲劇的なすれ違いとは言え、うさぎとセーラー戦士の運命が重たくなる。だが、よく考えよう。この回の監督は高○だ。台本には書かれていないアルテミスの目玉焼きを入れたいがためにカットしたのだ。
(つづく)
ところでact46の台本の検証、このあとも重いです。原稿が間に合いそうもないので途中で時間稼ぎのおふざけネタが入ります。たぶん...