検証・これが実写版の台本だ!−act46(最終回)

うさぎ、プリンセス、銀水晶。亜美の目を通して見えることが視聴者に見て欲しいこと、亜美の口から語られることが視聴者にわかって欲しいことのはずだ。それを元にシリーズ終盤を整理するとうさぎ問題や最終回問題への新しいアプローチになるような気がする。だが重い、重すぎる。この1週間の私のブログのていたらくぶりを見ればわかるとおり、残念ながらこれを考えて文章にするだけのエナジーがいまの私には無い。そうだ、名古屋地区の再放送がもうact41まで来ている。きっとあの人がこの考察をしてくれるだろう*1
act46のラストシーン。これはact47のクラウンでの3人の会話につながる。

  亜美「ずっと気になってたんだけど、こないだ大阪さんたちを元に戻したことあったよね。

     あれ、プリンセスじゃなくてうさぎちゃんじゃないかって気がしてて」

  レイ「それはあるかもしれないわね。前にも幻の銀水晶で人を助ける力を発揮してたし」

  亜美「でも幻の銀水晶には星を滅ぼす力もあって...

     つまり、うさぎちゃんがメタリアにもなれるってこと*2 *3 *4

ここのポイントは、亜美が自分の疑問をうさぎ本人に直接に聞くことができないほど、亜美たちとうさぎには距離ができてしまったことだ。act42では衛=エンディミオンが連れ去られたショックからうさぎの主人格がプリンセスに乗っ取られプリンセスセーラームーンが出現する。その後、M妖魔の攻撃で傷ついた亜美を見てうさぎが主人格を取り戻し、ヒーリング力を発動するのだ。ところがact46のラストではこれまでのような過程でプリンセスセーラームーンが出てくるような理由がない。衛の状況は変わらず、M妖魔は撃退している。するとプリンセスセーラームーンはうさぎの意志によって出現したのか。そんな疑問を、亜美は視聴者にかわって翌週に提示しているのである。そしてあとから振り返れば最終回の姿を暗示している。だが、うさぎのコントロール下でプリンセスセーラームーンの力を操れるなら問題はないわけで、亜美の発言は前後がかみ合わない。うさぎがキレると地球が滅びちゃうぞということか。
いずれにしても、ここでの会話は結果的にうさぎと美奈子をますます引き離すことになる。よって美奈子の死の瞬間にうさぎが立ち会うことはなくなり、act25の衛のように銀水晶の力で甦らせることができないわけだ。構成的にはFinalActをゴールとするうさぎと衛の物語、act47をゴールとする美奈子とそれをとりまくレイとまことの物語がある。亜美は後者のグループに属しながらもうさぎが気になる観察者。そして、それぞれのグループの構成員が反対側にからむと物語に齟齬が生じる。つまり、亜美たちがそばにいて心の支えになってしまってはうさぎを追いつめて悲劇のヒロインにできない、うさぎがそばにいては美奈子を殺せない。そこで2つの話はあくまでも並行して進められ、結果的にレイたち3人がうさぎと距離を置くことが視聴者から見て愚かな行為としか見えなくなる。それがうさぎ問題の本質だろうか。それとも心を許せるのはエンディミオンしかいないというプリンセスの境遇をうさぎになぞらせたのか。それではレイたち3人が本当に愚か者になってしまう。う〜ん、わからん。
この台本も最後の一文がいい。放送はそのとおりになってないがなかなかいい。「夕日が沈む」

*1:ヲイ!

*2:くちびるアップの鈴村演出

*3:act2から気になっていたが浜千咲は下の前歯の歯並びが悪い

*4:一流の芸能人になるには強制治療をすすめる。芸能人は歯が命〜