「『M14の追憶』にトラックバックの花束を」への返礼(後編)

Leo16さんが指摘されているとおり、私がブログを始めた動機はアニメと実写の比較にある。私のブログだけ読むと実写版に対する一途な賛美のように思われるだろうが、

     ・アニメ版の良かった点

     ・実写版の残念だった点

は、わざわざ書くまでもない前提になっている。ちなみにアニメ版の良かった点をあげれば

     1.1話完結でありながら物語全体の謎が1年をかけて少しずつ解き明かされていく面白さ

     2.つねに月野うさぎの視点で物語を俯瞰できるわかりやすさ

     3.被害者側に物語があるので妖魔を倒すことによって得られるカタルシス

     4.最終話に向けたシリーズ構成のバランスの良さ

     5.セーラー戦士が1年をかけて増えるため月・月+水・月+水+火・月+水+火+木の組み合わせをそれぞれ一定期間楽しめる

これはそのまま実写版の弱点と言える。

     1.シリーズ後半のわかりにくさ

     2.月野うさぎの存在感の無さ

     3.話が難しい、暗い

     4.カタルシスの無いラスト

     5.セーラー戦士が早い段階で出そろう

とくに1から4は放送当時にアニメ原理主義者から叩かれていた点である。アニメ版を聖典とすればそうだろう。だが小林靖子の視線は幾原邦彦とはまったく別の方向を向いていたのではないか。実写版はアニメ版とは独立した作品として評価されるべきではないのか。そう考えると1から5は実写版の長所に転じないか。そんなことを考えていた2年前の12月であった。